読書録

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『太平洋戦争への道 1931-1941』  半藤 一利  加藤 陽子 保阪 正康 共・編著

発刊したNHK出版 {新書 659(2021年07月12日)}のサイト↓

www.nhk-book.co.jp

印象に残ったポイントを以下引用↓
p17:半藤 私は死ぬまで「絶対」という言葉を使わないと誓いました。「絶対日本は勝つ」とか、「絶対日本は正しい」とか・・一種のスローガン・・全部ウソだとわかってしまった。
 
p54:(ラジオ)当時の番組編成の方針・・・「ラジオの全機能を動員して、生命線満蒙の認識を徹底させ、外には正義に立つ日本の国策を明示し・・」
p56:信濃毎日新聞 桐生悠々 「関東防空大演習を嗤う」論説で軍部から弾圧
 
p76:加藤 (満鉄爆破が関東軍がやった事実伏せられ)この最初の大きなウソがきっかけで、日本側は大きく道を誤ることになったと思います。
 
p93:保阪 (道筋は)この満州国建国と国際連盟からの脱退による孤立主義が大きな影響を持ったであろう。
 
 
サイトから:目次)
序 章 太平洋戦争とは何か
第一章 関東軍の暴走  1931 満州事変 - 1932 満州国建国
第二章 国際協調の放棄  1931 リットン報告書 - 1933 国際連盟脱退
第三章 言論・思想の統制  1932 五・一五事件 - 1936 二・二六事件
第四章 中国侵攻の拡大  1937 盧溝橋事件 - 1938 国家総動員法制定
第五章 三国同盟の締結  1939 第二次世界大戦勃発 - 1940 日独伊三国同盟
第六章 日米交渉の失敗  1941 野村・ハル会談 - 真珠湾攻撃
戦争までの歩みから、私たちが学ぶべき教訓 p212-
加藤 戦争は暗い顔で近づいてはこない
保阪 命令一つで命を奪った軍事指導者の罪
半藤 日本人よ、しっかりと-+勉強しよう

 

もともとはラジオの特番で、書籍化された↓
放送記録 特集番組 太平洋戦争への道~戦前日本の歴史の選択から 2017年8月15日(火)20:05-21:55放送 R1
ディレクター 児島 芳樹
制作統括 碓田 潔 
・ちょうど真珠湾攻撃が行われた12月8日に読み終わったが、これを新聞の朝刊紙面で取り上げていたのは、読売新聞の編集手帳毎日新聞の余録、東京新聞の筆洗と社説。ネットでも読むことができるのは↓
 
・これを書いているきょうの朝刊は、戦後安保政策が、敵地攻撃能力も認めることになるなど大きな転換になったことを伝えている。TBSの報道特集でも特集していた。以下はJCCから引用。関連記事も表示される。
12/16(金) (テレビ朝日[報道ステーション])
「戦後の政策を大きく転換」・反撃能力保有へ・安保政策転換
日本が初めて防衛大綱を策定してから約半世紀。
日本の安全保障の歴史的転換点。
外交、防衛の基本方針である国家安全保障戦略、防衛目標と手段を記した国家防衛戦略、防衛経費の総額や装備品などがリスト化された防衛力整備計画。

12/16(金) (NHK総合・東京[ニュースウォッチ9])
安保政策の大転換・安全保障関連3文書・閣議決定
日本の防衛政策はきょう歴史的ともいえる転換点を迎えた。
政府はきょう臨時閣議で、国家安全保障戦略など3つの文書を決定した。
政府が臨時閣議で決定した3つの文書。

 本著では、メディアと国民の声にもおされ、情報が統制されるなか、戦争へと突き進んでいったことが、歴史を追いながら分析されている。ロシアのウクライナへの軍事侵攻が、厳しい国際社会の現実をつきつけたともいえ、そのなかで、どう考えていくのか、事実をもとに見ていく必要がある。

 

 冒頭引用した半藤さんのことば、「絶対」という言葉を使わない、というのは、大学で学んだ師が、国際政治の基本として、すべて half-truth で、リアリスティックに物事をみていくことが大切だと繰り返し話していたことを思い出す。肝に銘じたい。

 
{2022/12/2金-12/8木:読了、記入は12/17土③}