読書録

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『スマホ脳』 新潮新書  アンデシュ・ハンセン 著、 久山 葉子 訳 

 近くの書店で新書のランキング2位、きのう11/20土の産経新聞の【週間ベストセラー】<11月14日 トーハン調べ 新書>で4位と、発刊から1年たって、引き続きよく読まれている。脳の歴史的な発達の構造から、いまのスマホの使い方に警鐘を鳴らす内容だ。付き合い方を考えないといけない。帯のジョブズもわが子にiPadを触らせなかった、というのは興味をひく。いま教育現場にデジタルツールの導入が検討されているが、そこにも議論が及ぶだろうか?

 世界的なベストセラーとなっているだけに、さまざまな記事で引用されているが、これまでに倣って、まずは発刊した新潮社(2020.11)のサイト↓

www.shinchosha.co.jp

 グーグル検索「スマホ脳」で上位に表示された、著者のインタビュー記事↓

president.jp

 備忘録としてメモしておきたい点を以下に引用

p9:脳はこの1年変化していない-(中略)-サバンナで暮らしている-(中略)-なぜ人間に睡眠や運動の必要性、それにお互いへの強い欲求が備わっているのかを理解するために

 

p14:(SNS企業が睡眠を妨げず偽情報を拡散させないようにもできたがしない理由は)お金・・広告が売れるから・・たくさんの時間を奪う

 

p36:人間の身体と脳を形成してきた唯一の基本ルールは「生き延びて、遺伝子を残す」ことだ。

 

p39:ネガティブな感情はポジティブな感情に勝る。

 

p66:不安やうつが人間の生存率を左右していたこと。身体のストレスシステムが、危険な世界で私たちを守るべく進化してきたこと。

 

p75:なぜ脳は不確かな結果のほうに多くのドーパミン報酬を与えるのだろうか。(中略)「ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだから」

 

p104:グーグル効果(デジタル性健忘)-情報が記憶に入らない:写真を撮っていない作品はよく覚えていたが、写真を撮った作品はそれほど記憶に残っていなかったことだ。パソコンに保存される分文章を覚えようとしないのと同じ・・脳は近道を選ぶ。

 

p149:SNSが、一部のティーンエイジャーや大人の気分を落ち込ませ、孤独を感じさせ、さらには自信まで失わせているという兆候が大いにある。

 

p158:スマホのアプリ・・スロットマシーンのように見えるのは・・・どの色が目を引くのかを行動学者がじっくりと研究した結果だ。

 

p171:2017年10月『スウェーデン人とインターネット』20年の使用習慣・・スマホに取り憑かれている・・

 

p211:『火災報知器の原則』 不安は脅威となり得るものに対して事前にストレスシステムを作動させることで起きる

 

p237:小さな情報のかけらを取り込むことに慣れれば慣れるほど、大きな習慣の塊をうまく取り込めなくなる。それこそが、複雑化する社会でいちばん必要なことのはずなのに。

 

p241:私たちは未知の世界にいる。人間が進化し、適応してきたのとはかけ離れた世界だ。しかし今でも私たちは狩猟採集民の脳を持っていて、そこらじゅうに危険を探そうとし、すぐにストレスを感じ、気が散り、同時に複数の作業をするのが苦手だ。デジタルな世界に生きているというのに、その点にもっと配慮すれば、私たちはより健康に、健全に生きられるはずだ。

 本書では、ラストに、デジタル時代のアドバイスとして、スマホの使い方についていくつか上げている。どれだけ実践すべきか、できるか・・・よくよく考えていきたい。
 
{2021/11/8月-15月:読了、記入は11/21日}