読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

神様のサービス

お客様第一主義といい、世間からは“一流”と呼ばれながらも、実際には違うケースがある。著者は具体的な事例をひきながら、いかにお客さまの立場にたって仕事やサービスをしていくことが大切かを説く。たとえ、新人だったとしても、一つの対応のミスで、顧客を失いかねない。一見さんへの驚きを与えるより、常連の方々に、いかに満足していただくか、重要。電話を3コール内にとるのが当たり前と本文で紹介されているが、自分自身、これができているかというのも考えてしまう。TDLのケースは、ベストセラーにもなっているので、そのサービスの良さはよく知られてはいるが、実践するとなると、まだまだ意識改革が必要なのかも知れない。
本著では、p147にお客さまに配ったいう、サービスの良い会社と悪い会社を表にしたものが示されているが、このうち良いケースでは、会社は顧客のもの、顧客の手間を引き受ける、信賞必罰、働かない人が居づらい、切磋琢磨、競争がある、既存顧客を大切にする、個人的な目標がある、クレーム即応、顧客に時間をかける、手間をかけて利益を出す、ことがあげられている。仕事をしていくうえで、さまざまなヒントがつまった一冊だった。

(目次-引用)
プロローグ なぜあの店にはお客さまが集まるのか;
・最適な「QPS」の組み合わせを考えているか?;品質Quality、価格Price、サービスService


第1章 知らぬ間に下がる、お客さまからの評価;
・サービスへの警鐘1ーお客さまの本当の要望に気づかない企業は潰れる;「お客さまのため」と「お客さまの立場に立つ」ことは違う。
☆お子さまが目の前にいるのに「2人分」と平気で言うファミレスと、いなくても「3人分」を用意できるTDLの、企業の根本的な姿勢の違い。
p46:大切なのは、お客さまだったらどう思うか、どうしたいのかを真摯に受け止め、考え、判断し、行動する人材を育てていくことです。…教育も必要です。

・警鐘2ー昔うまくいったことが、今も通用すると信じている会社は潰れる;
☆「(部屋食は)何時ごろにお持ちいたしましょうか?」とお客さまに尋ねる旅館、〇時にしてくださいと押し付けるのではなく

・警鐘3ー「満足」という土台なく「感動」を追い求める企業は潰れる;一見客には通用しても、常連客の目はごまかせない。
☆(一流ホテルでも顔を覚えす部屋クレームも放置の一方、和倉温泉の加賀谷は卓球台、嗜好新聞、送迎などトップも把握し心配り)突き詰めてみれば、一人ひとりのスタッフが「お客さまに誠実な関心を持っている」ということではないかと私は思ったのです。お客さまの立場、視点に立つということをここまで強調してきましたが、やはり、その大前提として、お客さまに関心を持つということが大切だと感じました。言い換えれば「優しさ」です。

・警鐘4−価格競争だけに囚われた企業はジリ貧になる;「価格に見合った価値+α」をどれだけ出せるかというのは、企業が生き残るための大きなポイントのひとつです。


第2章 クレーム対応で会社の真価が問われる;
□クレーム対応で会社の値打ちは決まる;「対応」であって「処理」ではない;
・事例1ー賞味期限切れの商品を売るスーパーの最悪な対応;(返金のみで、陳列改善などいかせず)
・事例2ー東京の“一流ホテル”の対応はひどい;(常連なのに名刺を要求、1人でもマイナス)
・事例3−お客さま押しのけてでも先に降りる鉄道会社職員;(JR西日本脱線事故の1年前で内部志向の強さ⇒まずCS=お客さま満足度を高める)
・事例4−電車のドアは一刻も早く開けてほしい;p122〜クレーム対応3原則⇒1.ただちに対応する、2.上司に報告する、3.自分が思っているより100倍大変なことだと思って対応する
・事例5−電話の出方を知らないA新聞社;(もしもしはあり得ず。「申し訳ありませんが、席を外しております。もしよろしければ、ご用件を承ります」という対応ができるように教育を
・事例6−目覚まし時計をなくした研修施設;(針を刻む音がうるさいと申し出て、撤去はありえず)
・事例7−かつて暴走族だったと吹聴する運転手を雇う大手タクシー会社;
・事例8−私の会社へのクレーム;こちらに誠意があるかいなかをお客さまは見抜き、真摯に全力で対応すれば、応援してくれることがある。JR東海は切符販売機で詰まった乗車券で乗り遅れないよう、連携して対応


第3章 お客さま視点のサービスを実現する社員教育9つのヒント;
□サービスとクレーム対応;p146:良いサービスが提供できる会社はクレーム対応もしっかりとしていることが多い
社員教育1―ビジョンや理念に沿って行動する;
教育2−「お客さま第一」を目標として具現化する;(〇円上げるなど自分たちの都合や頑張るなど抽象的でなく、〇分以内に到着などお客さま目線)
教育3−働きがいを高める;(2つの方法⇒1.技(スキル)を身につける、2.評価される仕組みを作る)
教育4−当たり前のことを徹底・継続(例⇒朝礼、電話を3コール内でとる、自分の机上やごみは自分で片づけ、来客は玄関先まで出迎え見送る、従業員同士でも「行ってきます」「お帰りなさい」など自然に声をかけあう;ホンダカーズ中央神奈川で月に1回、読書感想文を提出
教育5−意識よりも先に行動を;
教育6−経営者自らが指揮官先頭の精神で行動する;アメリカの「スチュー・レオナード」石碑⇒1.お客さまは常に正しい、2.お客さまが正しくないように思える場合でも常に正しい;
教育7−「論理的思考力」と「思いやりの心」を育む;
教育8−「お客さま志向」のマニュアルは感動を生む;(海外旅行でJALの「お帰りなさいませ」)
教育9−「マニュアル+α」で「お客さま志向」を強化;p195:真にお客さまのことを考えられる従業員なら、機転を利かせて行動に移せます。ex六花亭本店


あとがき 長野市篠ノ井にある円福寺の藤本幸邦老師の言葉
・欲はエンジン、理性はハンドルとブレーキ
・経済は人を幸せにするための道具
・お金を追うな、仕事を追え
p206:お客さまのため、社会のためを貫いた会社や人にだけ、結果としてお金がついてくるのです…ひとりでも多くのお客さまに喜んでいただけるような良い商品、良いサービスが提供できる会社が増えることを願ってやみません。そのことはお客さまや働く人たちを幸せにするとともに、二歩にゃ世界を発展させることに他ならないと私は信じています。


{10/19-20読了、記入も同日}