読書録

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『真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960 』 池上 彰 & 佐藤 優 共著

記録2冊目、発刊した講談のサイトから↓ この二人の対談には、刺激を受ける。 

bookclub.kodansha.co.jp

 

読んでいた当時のラフなメモから引用

p107:(佐藤が読売新聞の渡邊恒雄主筆と対談記事:週刊新潮2020年新年号で、渡邊恒雄氏)「マルクスレーニンのどこを読んでも、人格的価値、道徳的価値が出てこない。マルクスレーニン主義には、倫理的価値が位置づけされていないんだよ。それはおかしいんじゃないか、ということだね」
・なぜ今左翼史か?という本著の視点は、格差の是正、貧困の解消といった問題が、左翼が掲げてきた論点そのもので、社会が機能不全に陥る中、「左派から見た歴史観」が激動の時代を生き抜くための道標の役割を果たす(佐藤p14)と考えているからだという。池上氏も白井聡、斎藤幸平、トマピケティ各氏の著作が話題になっていると、冒頭応じていた。
・用語や事実関係として以下もメモ
・p54~講座派と労農派。
p140:(共産党の50年分裂まで)多種多様な人材が揃い、独自の憲法草案を作成するなど積極的な動きを示し、国民からも支持を得てい社会党共産党が戦後間もない時期の左派、とりわけ共産党が占領軍内部の路線対立やソ連コミンフォルムの意向に悲しくも振り回され、主体性を取り戻せないままに暴発を余儀なくされた、という点に集約できそうですね。
 
・宮本(顕治)が東大在学中の1929年に書いた芥川龍之介論「『敗北』の文学」は、雑誌「改造」の懸賞論文に応募して、小林秀雄「様々なる意匠」を差し置いて1位になったほどですからねp177と池上氏言及しているが、よくここまでと感心する。

 

この本にはこの後の時代もとりあげた続編もあり、いわゆる新左翼などもよく知らないところがあり、読んでみたい。読み応えのある新書だった。
 
{2022/10/5水-10/12水:読了、記入は11/20②18:25}