読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

池上彰のこれが「世界のルール」だ!

週刊文春に連載された「池上彰のそこからですか!?」を再構成してまとめられた一冊。STAP細胞についても、最初の解説は間違っていたもののなぜもてはやされたのか理解してもらうためにとそのまま掲載、朝日新聞の連載コラム掲載拒否と週刊文春についても触れている。それにしても著者は、テレビを含め多方面で活躍しながら、書店には多くの著作が並び、仕事量の多さには驚く。本著でもいかんなく発揮されている「わかりやすさ」が、複雑でスピードの早い今、求められているのだろう。


出版した文藝春秋のサイト⇒ http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163902241


備忘録としてポイントを以下引用
朝日新聞の連載コラム掲載拒否では、週刊新潮、プレジデント、週刊文春の順に取材の連絡が入ったが、文春のネット速報で騒動になり、朝日の記者が実名で批判ツイート。「ネットとツイッターの力を再認識p58」、津田大介氏が毎日新聞に語った「現場記者がソーシャルメディアを使って声をあげることで組織ジャーナリズムのあり方が変わる可能性を示した」という記事を紹介
◇歴史をおさらいするには、山川出版社の高校用教科書『世界の歴史A』が良い。Bは細かすぎ固有名詞の羅列で世界史のダイナミズムが感じられず面白くないp114-115
◇対談したクリストファー・ロイド(『137億年の物語』著者)の言葉「自然界は多様性(ダイバーシティ)があるからこそ繁栄してきた。産業革命以降、この数百年の問題は、モノカルチャー(単一文化)が出てきたことにある、個々のアイデンティティが確立しづらくなった、個人の存在が小さくなったのは異常な事態
◇(日銀クロダ・マジックについて)キーナンバーは「3」:サプライズを演出し、記憶に残るキーワードを連呼する。それが良きプレゼンテーションの秘訣(p213)←プレゼンの秘訣という意味では、「白熱教室」で、2020年東京オリンピックの招致を決めた最終プレゼンを指南したニック・バーリー氏が、訴えたいことを3つに絞るなど数字が重要と説明していたことにもつながるか。ほかの数字は、長さとキャスティング。また、「聴衆がどういう人なのか」「インパクトをどう与える」か、ということも重要とのことが印象に残っている。
◇対談したドワンゴ代表・川上量生(のぶお)氏の言葉「お金をかけた上で儲かる仕組みを構築して、そこでコンテンツを作るというチャレンジこそ、成功するチャンスが一番あると思っています(p295)、エリートはやっぱりダメ…正しいことをする…理屈で考えるから結論は一つ…非エリートはよくわからないものを作るので多様性が生まれる…それが重要(297)、本を読んでいるときにピンとくることが多い…理数系の本がビジネスに役立つ…説明モデルが現実のコンテンツを作る時の考え方と似ている…分野を超えたアナロジーの適用が役に立つ…浅い知識が重要…(因数分解で)情報量を減らして本質だけにする

{6/20-7/2読了、記入は7/5}