読書録

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手のひらから広がる未来

手のひらから広がる未来 ヘレン・ケラーになった女子大生

手のひらから広がる未来 ヘレン・ケラーになった女子大生

大学4年で神経線維腫症II型という病気のため聴力と視力を失い「全盲ろう」という障がい者になった著者が、「転んでも叩きのめされても起き上がろう」(扉)と前向きに生きようとする思いをつづっている。「ブレイルセンス」という情報端末を使えるようになり、メールやブログの中で自由にコミュニケーションができるようになったことが、著者の生きる喜びにもなり、またこの本にもつながったのかとも思う。「目が見えて耳が聞こえても、自殺するぐらい苦悩する人もいる。戦争や災害、病気で生きたくても生きられなかった人もたくさんいる。きっと私にはぼんやりテレビを見て時間を過ごすような無駄な時間は与えられていない…そりゃ、まだまだ泣くだろうし、怖いし、不安だけど、福島智先生というすばらしい人もいるし、なんだか楽しそうでもあるよね」(扉)という思いは、いまを生きる ことの大切さを、改めて教えてくれる。一つ一つの言葉に、生き方について考えさせられた。


出版した朝日新聞出版のサイト⇒ http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=16902

著者のブログ「☆の王女さま Miyu のお手紙」⇒ http://miyuyustar.exblog.jp/


印象に残った文やポイントなど以下引用
・p24:信頼できる人たちに囲まれていて、以前には感じたことがなかったような人との絆や、幸せを感じることもある。絶望もしていない。誰かの役に立ちたい、という希望もある。…今を一生懸命、楽しみを見つけながら生きることが大事だと思う。
◇(緩和ケア病棟のカウンセラー・臨床心理士)ゆゆさん、必要なのは安心感を取り戻すこと(p96)+(武内祐子)私たちができることは、「ひとりじゃないよ」としっかりその人に伝えること、無力であっても信頼できる人であることです。(p251)2人でブログを始める。+V・E・フランクルの『それでも人生にイエスと言う(春秋社)』を引用して、生きる意味を問うのではなく、人生こそが問いをだし、問いを提起していると紹介する。(p253)
・p168:(福島智先生の話を聞いて思った)「死なない、めげない、引きこもらない」
・p170:(ゆゆさんから聞いたヘレンケラーの言葉)「人生はチャレンジするか、棒に振るかだ」
・p242:「もしかして、普通の人以上に幸せを感じるために、障がいを持ったんじゃないか」…人の冷たさや残酷さに打ちひしがれる人生ではなくて、人の温かくて優しい心をたくさん感じられる人生を与えてもらえたことに感謝したくなることがある。
・p245:自分の人生は自分で切り拓くものなのだ。そして、価値を感じていなかったなんでもない日々が、どれほど貴重な日々であるのか。…人間としての「本当に大切なもの」を見つけるため、神様がくれたチャンスなのかもしれない。…「今あるもの」の幸せをたくさん感じて、大切にしようと思う
◇医療の発達で健康な体にしてあげると言われたらお願いするかもしれないが、タイムマシンで過去に戻れると言われたら断ろうと思うのは、過去の思い出や出会った人は財産で、それを失うくらいならいまのままがいい(p246)←ドラマ『悪夢』のテーマを思いだした


{6/25-30読了、記入は7/5}