本著は、前年2014年に、朝日新聞の「慰安婦問題」、福島第一原発の「吉田調書」大誤報、池上連載コラム掲載拒否、など、ニュースへの信頼性に疑問が投げかけらるなかで、その裏側をきっちりと解説している。
発刊したさくら舎のサイト↓
いくつか備忘録として、各章ごとに2か所ずつめど、以下に引用↓
第1章 そもそもニュースって何ですか?p16:NHKの記者時代、記者のいちばん重要な使命はとにかく特ダネを取ることだ、と教えられてきました。p21:複数の新聞を読んでいないと、全体が見えなくなってきています。第2章 ニュースに公平中立はあるのか?p56:編集権を独立させることによって、あくまで「自社の金儲けのために書いているのではない」という信用を得るためなのです。p82:記者は本来そういう嫌われ者の存在だったのではないか、という気持ちがどこかにあります。いまのように高給を取って、エリートになりすぎてしまったのは間違いなのではないかという思いがどこかにあるのです。第3章 ニュースはこうしてできていくp92:1995年の元日の読売の紙面はたいしたものでした。1面トップで打ったオウム真理教に関する特ダネです。p95:同期のなかで、いちばん優秀な記者がまず政治部へ行き、次が経済部、そして社会部という順番がなんとなく決まっています。p100:<NHKの記者はラジオ用原稿を書く>映像のことをあまり考えていない、つまらない、わかりにくいニュースが出たりするわけです。第4章 報道機関は権力から独立していなければp136:国益を考えて書きだしたらその記者はおしまい第5章 そもそもニュースって何ですか?p175:(佐藤優さんの話)日本の新聞やテレビ局は公平中立、客観報道に徹して,偏向報道がほとんどないため、読者はニュースを鵜呑みにしてしまいがちだと。ソビエト(旧ソ連)では国営新聞、国営放送の建前のニュースばかりなので、読者は必死に成って政府が隠そうとしていることを知ろうとニュースを読み解いたそうです。+メディアはつねにそのときのやり方に対して批判をするという無責任な部分があります。でも、それも含めて大事な民主主義なんだ、と私は思っています。ネットがふりまくデマ、陰謀論から自由になる
これまでに読んだ、著者の本のリストについては、過去の記事で紹介したあと、『おとなの教養2』が直近に読んだ記録で↓
発刊したさくら舎は、この本で4冊目、過去に、出版社についても興味を持ち、言及した過去記事 「←HPに記載の「読む、感じる!考える、花ひらく+新しい出版社」というテーマ?や、会社案内に書いてある内容(代表は講談社の元編集者)から、新たな取り組みを試みているようだ」あり↓
先週ようやく、映画『スポットライト』を鑑賞することができたが、記者の仕事のあり方や意義がよくわかった。池上氏も書いているところで、実は嫌われ者、コンプライアンス上では無茶な人の方が、エリートでスマートなスタイルより、よっぽど良い記事が書けるのかも知れない。このところの、文春の総務省接待スクープなど、働き方改革が進む一般紙や放送メディアでは、なかなか難しくなってきているような印象さえ受ける。
{2021/02/17-23読了、記入は2/28(日)}