読書録

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『人新世の「資本論」』  斎藤 幸平 著

 「新書大賞2021」の受賞作で、公式サイトにある識者からの「ピケティを超えた」「常識を破る、衝撃の名著」などが並び、手に取る。このままでは駄目で、脱成長コミュニズムを説いている。

発刊した集英社のサイト↓

shinsho.shueisha.co.jp

 本著のおわりに、から一部引用↓
p360:SDGsグリーン・ニューディールも、そしてジオエンジニアリングも、気候変動を止めることはできない。「緑の経済成長」を追い求める「気候ケインズ主義」は、「帝国的生活様式」と「生態学帝国主義」をさらに浸透させる結果を招くだけである。その結果、不平等を一層拡大させながら、グローバルな環境を悪化させてしまうのだ。
 
p359:最新のマルクス研究の成果を踏まえて、気候危機と資本主義の関係を分析していくなかで、晩年のマルクスのと到達点が脱成長コミュニズムであり、それこそが「人新世」の危機を乗り越えるための最善の道だと確信したからだ。

 

 正直言って、「脱成長コミュニズム」をめざすことができるのか、これまでの歴史を振り返ったときに、疑問を感じざるを得なかった。

 資本論は経済/労働の分析は鋭い点が多々あるとは思う一方、その後の社会主義国共産主義で取り組まれた、集団の平等に力点をおいたとされる施策でも、いまのロシア、中国、それに、アラブの春以降の各国をみても、「権力」と政治体制について、「資本論」をベースにすることには限界があると感じるから。

 

 これを書いている10/10(日)に、書店の書評に取り上げられた本コーナーで、週刊ダイヤモンドのところに、

『会社がなくなる!』 講談社現代新書 丹羽宇一郎 著 があって、

bookclub.kodansha.co.jp

 本著については、厳しい指摘をしていたが、こちらの方に共感を感じたのは、世代が古いからだろうか・・・
 課題があるのは認識しつつ、どう解決するのか?考えていきたい。
 

{2021/10/3日-5火読了、記入は10/10日}