読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『悪のAI論』 平 和博 著

 ヤフー個人などデジタルニュース分野で興味深い記事を多くみるようになった著者が、2年前(2019)年に出していた本を図書館の情報科学コーナーでみつけて手に取る。

 発刊当時は朝日新聞記者で、現在は桜美林大学教授としてご活躍の様子。内容は2年前とはいえ、AI自動運転の倫理問題など、これからもホットな部分が多数あった。

発刊した朝日新聞出版(2019.2)のサイト↓

publications.asahi.com

  このHPのPR文から、内容を一部引用することで、本著紹介を省力化↓

 テロリストを判定するAI。人気アイドルのフェイクポルノ動画を自動生成するAI。「いいね」のデータからユーザーの性格的な特徴を判別するAI。さらには、あなたが将来、犯罪をおかす可能性を予言するAI。夫婦の会話を盗み聞きするAI。そして、暴走する自動運転車のAI――。

 日常の風景を、時に不気味なものへと変化させる「AIの事件簿」を、次々と目にするようになってきた。(中略)
 SFの未来ではなく、すでに噴出し始めているAIをめぐるリアルな事件簿から、AI社会に開いた「落とし穴」の実像をさぐる。

 あわせて、覚えておきたいポイントの小見出しを以下に引用↓各論点は、巻末にURLが記されていて、資料としても参考になる。

p58:ビッグブラザーが見ている

p62:「女性嫌い」で開発断念

p125:グーグルの「AI原則」
p233:「人間中心のAI」7原則

 

 なお、自動運転車が非常事態に直面した場合の「トロッコ問題」として、「モラル・マシン」アンケートの結果が紹介されているが、とても興味深い。
 233の国と地域から230万人がのべ4000万件の二択回答(p244~46)で、助けるべき優先度で共通と個別があるという。
▽共通は、ペットより人間、より多く、高齢者より子ども、だが、欧米、アジア、中南米で違い
▽アジアでは、歩行者、法遵守の優先度が高かったが、女性と人数は最も低く、子ども優先傾向なし。
 サイトで各国比較も可能ということで、そのサイト↓
 
 本著のベースになったというブログは↓で、終章で謝辞として構想段階のアドバイスを、現・NHK出版の星野新一氏に送っている。
 ヤフー個人では、以下↓
 この読書録で、過去記事検索して出てこないので、今回が初めて接した。漢字だけみると、へいわ・ひろし、とも読めなくは無く、たいら・かずひろ 氏と読むようではなるのだが、とても良い名前だと、本の内容とは関係なく感想。
 
{2021/9/27月-28火_読了、記入は10/3日}