読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

女子力で読み解く基地神話 在京メディアが伝えない沖縄問題の深層

女子力で読み解く基地神話

女子力で読み解く基地神話

 年明けから、在京メディアのテレビが伝えた辺野古の基地反対運動についての番組が、ネットで議論を呼んでいる中で、本著は、沖縄の地元メディアにいた女性2人の対談という形式で、なぜ基地に反対するのかという背景などを紹介している。

 本著で紹介されている琉球新報2014年1月から8月まで連載されたというp131「ひずみの構造-基地と沖縄経済」で、いわゆる軍用地主の坪単価が、普天間で年間6800円弱、軍港で19000円ぐらいなのに、返還された新都心では36000で、基地よりも返還した方が経済にとって良いということがわかってきたことや、p147の、安倍政権が2012年末に誕生したあと、沖縄選出の自民党国会議員に辺野古移設に同意させたことが「平成の琉球処分」として県民に映り反発を呼んだ、という指摘は、なるほどと感じた。

 著者たちが、「偏っているのではないか」に対する反論で、三上監督は、賛成反対ではなく取材して構図を表現するためのバランスをとっているp144と、また島政治部長は、「沖縄の新聞が偏っているのではなくて、沖縄が置かれている状況そのものが偏っているんです」p154と述べている。
 

発刊したかもがわ出版のサイト⇒ http://www.kamogawa.co.jp/kensaku/syoseki/sa/0857.html


 一方で、ネットで話題になっているのは、TOKYO-MXTVの番組「ニュース女子」が1月2日に報じた内容。以下で詳しく論じられているので引用して紹介↓
buzzfeed 「沖縄の基地反対派は日当もらっている」MX報道 その根拠となる取材と証拠とは
https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/okinawa-tokyomxtv?utm_term=.ihxKzzqawR#.fsaL66EvBG
1月2日に放送の「ニュース女子」。高江の米軍ヘリパッド建設反対派が日当を受け取っていると報じた。名指しされた団体「のりこえねっと」は抗議声明を出している。posted on 2017/01/07 11:01

◇ヤフーニュース→ブロゴス BPOはMX報道を裁けるか 
水島宏明 | 上智大学教授・元日本テレビNNNドキュメント」ディレクター 1/14(土) 22:12
http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20170114-00066363/


 このTV番組でリポートしている“「軍事ジャーナリスト」で「軍事漫談家」とも紹介される井上和彦氏”は、在阪民放の番組「そこまで言って委員会」にもよく登場され、沖縄の基地反対運動については、同様の発言は繰り返してはいた。
 また、水島教授が最後に言及しているCS放送の「DHCシアター」が元番組で、BPOはどこまで言及できるか、という点も課題だろう。伝送路がさまざまになり、ネットやCSでは、それこそさまざまな番組が流れる中、本著と正反対の放送内容が、放送倫理でどう扱われるのか?井上和彦氏も、もともとCS放送で出演を重ねてきただけに、放送と通信が融合する時代での対応は、これからも注視していきたい。

 そして“沖縄問題”は、さまざまな角度から、ずっと見つめていきたい。


{2017/01/15-22読了、記入も22}