読書録

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坂野惇子の人生 「べっぴんさん」のモデルが生きた波乱なる生涯と真実 MSムック

坂野惇子の人生 (MSムック)

坂野惇子の人生 (MSムック)

 いわゆる朝ドラ『べっぴんさん』のモデルとなった、ファミリア創業者の実話を紹介した本で、コンパクトにまとまっている。ドラマの方は、現在、母娘の物語に進んでいるが、父・佐々木八十八氏がレナウン創業者で、当時、佐々木営業部だ(p21)といったことや、この社名が、大正11年にイギリス皇太子が来日した際の巡洋艦の名前だったこと(p23)など、トレビアな情報が含まれている。疎開先が岡山(p26)など、ドラマの設定との違いもわかるほか、当時の時代背景などをうかがい知ることができる。

 このうち、同時代に活躍した女性として、デザイナーの杉野芳子氏の話は、知らなかった。「政府推進のもんぺスタイルに反対し、日本に美しい洋裁文化を定着させファッション界に革命を起こした」(p60)と紹介されている。


発刊したメディアソフトのサイト→ http://www.media-soft.biz/book/b244392.html


 なお、出発点は靴屋の間借りでたった2つのショーケースから始まった(p66)ことや、小さなバケツにプレゼントを入れてヒットしたことなどは、ドラマの中にもエピソードの一部として入っていて、こうした似ているところや違うを探すのも、興味深いところがある。すでに皇室御用達になったところ(p105)までは放送が終わっているので、昭和31年の銀座に進出や、昭和45年のスヌーピーグッズの話などは、扱われるのかどうかなど、今後にも注目したいもの。


{2017/01/23-26読了、記入は2/5}