読書録

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僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

資本論』(革命)と『金持ち父さん貧乏父さん』(投資)の2冊を深く読み込むことで、資本主義経済の本質的なルールを熟知したことをわかりやすく説明したうえで、しんどい働き方から幸せな働き方に変えようと提案している。

初めは、いまどき資本論かという印象はあったが、なぜ給料が上がらないのか、給料が職業によって違うのか、説得力のある部分もあった。
◇給料は、必要経費方式と利益分け前方式があり、多くの日本企業では、生活に必要なお金しかもらえないp25+必要経費分だから年功序列的p96
◇商品の値段は、価値を基準に決まり、需給バランスは二次的な要素p61で、労働力も同じ。ゆえに途上国では物価が安くp74、医者の給料は高いp80
◇労働時間は、必要+剰余⇒技術革新+コスト削減で価値低下が常の起こるp133⇒ラットレースから抜け出せない
◇利益を増やすには、?売り上げを増やす、?費用を減らす、の2通りしかなくp184、伸ばすにはコストがかかり損益分岐点がある。
◇年収・昇進から得られる満足感もしんどさも増え、「人生の損益分岐点」も逃げていくp209


著者はこうした分析を踏まえて、自己内利益を増やすべきだと主張し、働き方のポイントを説明する。
?満足感を変えずに、必要経費を下げる⇒精神的苦痛を感じない仕事へ:世間相場よりストレスを感じない仕事を選ぶ
?必要経費を変えずに、満足感を上げる⇒積み上げによって土台を作り、その土台の上でジャンプする
?労働力を「消費」するのではなく「投資」する:目先のキャッシュに惑わされない
?長期的な資産を作る仕事を選ぶ:
?過去からの積み上げができる仕事(職種)を選ぶ:変化が速い業界では知識や技術の賞味期限が短い=FBもツイッターもいつまでもつか?
?変化のスピードが遅い業界・職種をあえて選ぶ:賞味期限の長い知識や経験を身につけ、人との関係を重視
?賞味期限が長く身につけるのが大変で、高い使用価値のある知識・経験をコツコツ積み上げる
?PL(損益計算書)だけでなく、BS(貸借対照表)も考えて働く
⇒働き方を変えるには、10年を費やす地道な努力が必要


仕事の反対語が、欧州では遊びで、日本では休みという(p250)現実は悲しく、著者が言うように、上を狙うのであれば、残業代やインセンティブで稼ぐのではなく、労働力の価値を上げて、給料のベースを引き上げるべきだとしても、なかなか歳をとってしまうと、そうもいかない面がある。


右肩上がりではない今の時代、いかに働きながら満足感を得て、自分を高めていくことができるのか。著者の提案は、ひとつの参考になるかもしれない。


{3/23-29読了、記入は4/6}