読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』 ジム・ロジャーズ 著

  日本の未来は、「人口が減り、借金が膨れ上がり、衰退を続ける。そうして生活水準はますます低下し続ける」p40という、警告は去年の本著。2004年当時の文庫本後書きにも、人口統計学的な問題で自殺率が最高で出生率が最低のままでは、100年後人口が半減し移民も受け入れようとしないなか、「巨額の公的負債と、融通の利かない規制が問題となっている」p202と記し、その基本的な考え方や見通しは変わっていない。

 今回コロナ禍で、さらに借金が膨らむことになる一方、マイナンバーはじめデジタルの遅れが顕著に表れ、いったいどうなるのか?まさに舵取りを間違えてはいけない時代になっているのだと痛感する。何より、投資家の著者が日本を見捨て、中国が覇権を握るとみて、子どもの教育のためシンガポールに移住している、ということが象徴的だ。

 

発刊した講談社のサイト↓に目次あり

bookclub.kodansha.co.jp

 

◇いくつか印象に残る言葉を、以下引用する。まずは生き方や考え方の基本。

p6:いつもサインに添える言葉、「人生は短い、だからこそ、力強く遠くへと飛び立ち、懸命に働こう。為せば成る」

Life is short, ride hard and far, make it happen

 

p144~1)人の言うとおりにしてはいけない・など9つの成功法則のうち3つ

+3)結婚・出産を急ぐな(娘に28まで結婚するなという)

+5)情熱を無視するな、

⇒p169:幸福を手にしたければ、自分の思い通りのやり方を選ばなくてはならない。これが結論だ。(何のために稼ぐのか?=著者は自由のため)

 

p200:人の考えに流されず、徹底的なリサーチをおこない、自らの頭で考える。こんなシンプルなことを心がけるだけでも、あなたは多くの人より成功を収めることができるのだから

 

◇いまの日本の施策や制度への厳しい批判は以下。

p36:安倍首相は・・(中略)・・してきたことは、ほぼすべてが間違いだ。(中略)自分や、自らの体制を維持することが彼の行動原理であり、そのツケを払うのは日本の若者だ

p77:1990年当時にして硬直性と過度の規制で窒息しかけていた。+p78:(日本の良さが失われたひとつの要因)過度のマニュアル主義にあるのではないだろうか?

◇今後の世界の変化について

p113:(中国の強さで李首相の方針)「先賞試、後管制」=まず試しにやってみよう、問題があれば後で政府が規制に乗り出す」

p116:次なる覇権国家は中国である。(子どもに中国語を学ばせる親が存在)

p124:朝鮮半島の南北統一が実現すれば韓国の問題は軽減され、投資に値する国に変貌する

p140:小さな変化に気づいたのなら、その変化の背景を探って・・・積み重なってトレンドになる・・・

◇投資について

p172:「安く買って、高く売る」・・弱気(ペア)相場を気にかける

p174:将来性を測るには大きな視点で変化を掴む=触媒

p177:リサーチを重視する

p180:情報源は今も新聞と年次報告書+フィナンシャル・タイムズ

p184:情報を疑う+報道の裏をとる+p187:自ら情報の裏を取り、真実を見極めなくてはならない。そして、自分にとって都合の良い情報だけを信じるのはとても危険だということも理解しておこう

 

 とても腑に落ちる内容で、コロナ禍の前に出版されているとはいえ、まさにこれからを考えるためにも、おさえておきたい視点の数々だった。

 

 {2020/7/13_17(金)読了、記入は07/18(土)}