- 作者: 佐藤智恵
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2016/01/16
- メディア: 新書
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先に読んだグレートカンパニーで、ソフトエッジの重要性が説かれていたが、本著を読むと、日本企業の事例が、「お金で人は動かない、人を大切にせよp6」という面で参考になっているという。
海外から見ると、日本の強みは人的資源でありp221〜233、1)高い教育水準、2)分析的な特性、3)美意識、美的センス、4)人を大切にするマインドと改善の精神、5)環境意識と自然観、6)社会意識、としてまとめるとともに、今後の課題は、1)グローバル化、2)イノベーションの創造、3)若者と女性の活用と指摘しp234、自らの価値を認識して世界に発信すべきと提言しているp243。
ハーバードで具体的な教材になっている日本企業の事例はいずれも興味深く、家電業界では厳しい状況が続くなかでも、希望を感じさせてくれる内容となっている。
出版したPHP研究所のサイト⇒ https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-82727-8
著者のインタビュー記事⇒ http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160218-00010000-php_t-bus_all&p=1
備忘録として以下をメモ
◇「新幹線お掃除劇場」のテッセン、矢部氏「いわれたことをそのとおりやってもらう」から、「誇りとやりがいをもって仕事」へ。「人のために役立っているのが楽しい」p58
◇自働化とジャスト・イン・タイムに基づくトヨタの生産方式p72は従業員マインドp75
◇ハーバードでは、「変化はチャンスだ」「変化を自ら興すリーダーたれ」と、ことあるごとに教えられるp108
◇日本が近代化に成功することができた要因byジェフリー・ジョーンズ教授p112-113
1)江戸時代にすでに高度に発展した特殊な文明社会ができあがっていたこと
2)日本の支配階級が武士で、米国への危機感が明治維新へつながる
◇ハーバードで学ぶ日本の金融政策の歴史 4つの時代区分p123
1)戦後の高度成長期 1950-60年代
2)オイルショックとドルショック 1970年代
3)プラザ合意とバブル時代 1980-90年代
4)失われた20年 1990年代〜
◇戦後復興と経済成長の要因については教授陣で見方が分かれるp126-127
・一般的には、1)人口または労働力の成長、2)資本の成長、3)技術革新
・マーケティング論から「安い労働力」、経営史から「起業家と企業集団」、政治経済学から「大蔵省や通産省が産業政策を推進した社会制度」
◇ホンダの事例は、ポーター流「意図的戦略」、ミンツバーグ流「創発的戦略」(現場からボトムアップ)p150
⇒『やりたいことをやれ』(本田宗一郎著書から引用)p153(市場調査は既成製品の評判を探る場合は有効だが、改良品が売れるかは判らず)大衆が双手を挙げて絶賛する商品は、大衆のまったく気のつかなかった楽しみを提供する、新しい内容のものでなければならない
◇福島第二原発を救った「チーム増田」p200⇒センスメーキングで、ホワイトボードに数字を書き出して従業員と情報を共有し、アクションを考えた
{3/13-18読了、記入は20}