ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか (光文社新書)
- 作者: 藤代裕之
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/01/17
- メディア: 新書
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発刊した光文社のサイト↓に、目次や扉の文言あり、
不確実な情報、非科学的な情報、デマ=「偽ニュース」 (「はじめに」より)扉のPR文
本書では、偽ニュースを生み出す背景や構造を明らかにした上で、ヤフー、LINE、スマートニュース、日本経済新聞、ニューズピックスという5つのニュースメディアを中心に、スマホを舞台にしたニュースを巡る攻防を描く。偽ニュースは2016年に突然生まれたわけではなく、ビジネスとジャーナリズムの間で揺れ動くビジネスパーソンの戦いの歴史であり、現在進行形の物語である。はじめに――「偽(フェイク)ニュース」が世界を動かす
第一章 戦争前夜 偽ニュースはなぜ生まれたか
第二章 王者ヤフーの反撃
第三章 負け組LINEの再挑戦
第四章 戦いのルールを変えたスマートニュース
第五章 課金の攻防・日本経済新聞
第六章 素人のメディア・ニューズピックス
第七章 猫とジャーナリズムと偽ニュース
著者は、徳島新聞出身で、p26に、「文化部で若者向け紙面の改革に関わったことをきっかけにネットに関心を持つようになった」と経緯を紹介し、2004年に開設したというブログ「ガ島通信」に触れている。そのサイトは↓で、はてブだったことに気づく。この読書録は実質2007年からなので、その3年前には始めていたということか・・・その後NTTレゾナントで編集の仕事もしていたという。
とても内容が豊富で、資料価値もあり、手元に置いておきたい本で、ただ、クラウドでいつでも利用したいので、以下に一部のみ引用して気になったところを記録する。
p38~:博報堂メディアパートナーズのメディア環境研究所調査
→テレビ38.9%、デジタルは44.8%、(10年前は51.3vs3.3)
+パソコン2011の23.3%をピークに減少へ
→ヤフーの存在感低下とソーシャルメディアの影響力拡大
→2014年12月のニールセン調査で、スマニュウー1位385万、
+2位グノシー298万、3位ヤフーニュース187万。4位アンテナ10万、
+5位ラインニュース85万、ヤフー落ち込み井上前社長SNS苦手では×
p93:LINE2016年3月 「アカウントメディアプラットフォーム」仕組作り+地方紙と連携を進める
p167:変化の敵は、市場ではなく組織の内側にあることが多い
p205~:コミュニティは生き物・・永続的に成長したケースはほとんどない
+パソコン通信時代のニフティサーブ、掲示板の2チャンネル、SNSのミクシィなど・・・一時は集まったが、ユーザーが固定化し活力失う
p211:有料でも購読してもらえる魅力あるコンテンツとは?
→速報ではなく時間が経過しても価値があるストック型、深掘り型、
+タイミングは毎日
p246:国際大学グローバル・コミュニケーション・サンターの山口真一研究員の調査で炎上に参加するのはユーザーの0.5%
ヤフーがPCにこだわりすぎ、LINEのスマホ戦略に勝てなかった、というのは知らなかった。確かに、社長もかわって、ニュースからPAYPAYに力点を移し始めたということも言われているが、そうかも知れない。
フェイクニュース対策では、ニュースのタネが新たなアクションを始めるようだ↓
変化の激しい今の時代、ネットの覇権はどうなっているか?興味深い。
{2019/9/17-23読了、記入は10/05}