読書録

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小説の言葉尻をとらえてみた

小説の言葉尻をとらえてみた (光文社新書)

小説の言葉尻をとらえてみた (光文社新書)

 広辞苑の第七版が出版されて話題になっているが、本書は、『三省堂国語辞典編集委員である国語事典編纂者の著者が、小説にでてくることばを客観的に紹介して解説してくれている。読んだことがある小説だと、そんなことまで・・・というのがあって、結構楽しめた。


発刊した光文社のサイト→ https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334043162


 具体例を少しだけ引用して紹介

◇第1章 桐島、部活やめるってよ(朝井リョウ)より、p20「体操座り」を使うことから、全国的には「体育座り」で、関西では「三角座り」、岐阜方言の語彙が顔を出しているという。


◇第4章 オレたちバブル入行組(池井戸潤)より、p64「大店」の読みは一般的には「おおだな」だが、銀行・証券関係では「おおみせ」とネットでは読み仮名がついていてたので、業界用語と認識。


◇第11章 八日目の蟬(角田光代)より、p182「パーマを当てる」は関西などの方言で、東京では「パーマをかける」。田辺聖子さんや瀬戸内寂聴さんも「パーマをあてる」がでてくる


 言葉の世界を、こういう小説から紐解くのは、なかなか面白い試み。あわせて新聞の書評に、『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 青のりMAX 神田桂一&菊田良 共著』という、文体そっくりまねるケースが出ていたが、こちらも機会があったら読んでみたい。


{2018/1/20-22読了、記入は28日}