読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

ヤフートピックスの作り方

ヤフー・トピックスの作り方 (光文社新書)

ヤフー・トピックスの作り方 (光文社新書)

こちらはヤフートピックスを作っているメディア編集部長の著者が、その仕組や思いを解説している。

読売新聞記者出身で、自ら書かずにニュースを扱う思いとして、過酷な職場に戻りたくないという気持ちもなくはないが、ニュースよりインターネットが好きだという。(p62)また、メンバー(伊藤氏)の思いとして、社会問題を解決するために、1.誰かが問題を発見し、2.問題を整理し、3.世に訴える、というサイクルのいずれかに関わっていることが生き甲斐だという。その点、月間6970万ユーザーという読者数は、影響力を実感することになるとのこと。そこには、公共を優先しなければいけないという意識も芽生えるという。

p68:「情報が整理されて集まることで力が生まれるんですよ」伊藤は、インターネットならではのニュースの見せ方を追求しています。


13文字の効果や、8本の並び順などは、先日読んだ「狙え」と同様の話しの裏返しながら、制作側の分析として、閲覧数は、エンタメ、国内、スポーツ、地域の話題が多く、アクセス数を常に監視するツールもあるが、あくまで参考値として、実際には人間の感性で項目を選んだり、関連リンクを貼っていく作業があると説明する。

p124:(記者時代はスクープで誰よりも早く知っている快感から)トピックス編集者になって読まれるトピックスを作ったときの気持ちの良さは、「世の中に認められている」というものでした。

p162:人間編集者としてのセンスを最も大事にしている。きっと言語化できない、ロジックに落とし込めない、最後の端には「このニュースには価値がある」としか言いようのない価値観があると信じているからです。


本著では、ネットメディアとして、J−CASTニュース(ネットの炎上力:蜷川真夫)や、らばQ、ロケットニュース24をあげ、従来の報道とは違う広義な意味でのニュースサイトの可能性を紹介している。その一方で、取材を経ないで書かれた記事はニュースと呼ぶべきではないとし、新聞記者時代に、たとえイベントお知らせ原稿であってもきちんと連絡先を確認した経験を、「どんな些細な原稿でも、当事者に事実を確認し、話を聞く」ことの大切さとして繰り返し指摘している。そして、報道機関が持っている取材力に着目し、取材した記事かどうでないのか見抜く力を持てと指導しているという。


また、150の報道機関から送られる一日3500本以上の記事の中から掲載されるのは約60本で、社会性の高い記事を優先して掲載しているため、企業広報を目的とした記事が掲載されるのは宝くじにあたるようなものだ(p188)と説明したうえで、「トピックスが掲載したい情報は、読者が求める商品やサービスに加え、企業が得意とする分野に関する知識やノウハウなどです」(p198)と、「狙う」人たちにアドバイスしている。

p205:もし企業が発信している情報が、単なる金儲けの「売らんかな」の宣伝ではなく、「世の中を良くしたい、いい方向に変えていきたい」という情熱や信念に支えられている価値あるものであれば、その思いは報道機関の記者にも届くでしょうし、トピックス編集部もご一緒したいと思っています。


基本的には、ブログなども同じなのだろう。

{11/12記入}