文化の日2冊目↓著者は1945年生れとあり、長くこの分野に携わってこられたようで、これまでの歴史も俯瞰できる内容。帯に「出産,子育て,介護,そして非正規雇用……80年代からの日本の現実と,未来への提言」とあり、まとまっている。著者自身も、共働きで両親に子育てで面倒をかけ、相方にも苦労をかけたp88で記していることから、実体験をふまえた論述としても理解できる。
◇発刊した岩波のサイト↓
はじめに、でも触れられ、本文でも繰り返し出てくるのが、この問題の難しさの一つ「固定的な性別役割分担」ということば。 おわりにでも、この意識を解消し、男女双方「自らの意志」が尊重される社会をつくる必要性を訴えている。
知らなかった用語などあり、いくつか備忘録として引用↓
p32:「常時・OL」=近未来小説の1984をもじり、会社で何年たっても管理職になる見込みが無い&OLは女性自身が公募で選んだ和製英語、が1984年に一部関係者で使われた
p72:「とう年たって管理職」=均等法前後で、男性よりも10年遅れて管理職に&家庭での管理職になる女性が多かった。
p103:「リプロ」=リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)で、この視点の重要さが今度の課題に。
p123:企業側に必要な視点として、「経営トップの理解、男性社員の育児・介護参画、働きやすさの確保」
◇著者は、最終章「新たなステージに向けて」で、3つの課題として、p238
自らの意思、固定的な性別役割分担意識の解消、男女共同参画の視点
をあげているが、今後のことを考える上で、心にとめておきたい。
{2019/10/18-27読了、記入は11/3(日)文化の日}