読書録

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同一労働同一賃金の衝撃 「働き方改革」のカギを握る新ルール

同一労働同一賃金の衝撃 「働き方改革」のカギを握る新ルール

同一労働同一賃金の衝撃 「働き方改革」のカギを握る新ルール

 非正規雇用が増えるなかで、格差是正や賃金底上げのをめざす「同一労働同一賃金」が政策としてめざされているが、本著では、欧米などでの導入例を紹介しながら、職能型か職務型かという社会制度そのものが違う中で、導入にはさまざまな課題があり、日本で制度化するにはさまざまな条件を整備する必要があることを説明している。


発刊した日本経済出版社のサイト⇒ http://www.nikkeibook.com/book_detail/32129/


 専門的な部分もあり、メモを作成する余裕がなくなってきたので、重要なポイントをいくつか引用
◇雇用システムの在り方をめぐって、2つの異なる見方があり、(p195)
1)職能型の長期継続雇用を基本とする従来の日本型システムを善しとし極力増やす 既存労働組合など
⇒日本独自のもので日本企業の強さの源泉であって放棄すべきでないが、経済成長や人口増を前提とし成り立たない面も
2)職務型を基本としたグローバルに通用するものに変える グローバル企業や新興企業の経営者に多い
⇒変化の激しい経済、人口減少、家族モデルの多様化の環境下で雇用の流動化多様化に適した仕組みだが、機能するには、欧米の例のように、職種別労働組合や専門職団体など「特定職業内での長期継続就労」が可能な社会的仕組みが前提で、日本では成熟せず


◇日本で導入する場合は、職能と職務のハイブリッドなシステムを作る方向に(p196)
1)職能型システムの根幹を残す
2)職種別労働者支援組織・ネットワークを形成することで能力育成ができる職務型システムを創出する
3)両者のシステムの間を接続させる


 本著では成績主義の導入の功罪についても検討されているが、現場実感としては、やりがいとかモチベーションなども重要な要素であり、どのような雇用システムが望ましいのか、まだまだ試行錯誤が続くと思われる。


{201704/15読了、記入は16}