読書録

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スマホ断食 ネット時代に異議があります

スマホ断食 ネット時代に異議があります

スマホ断食 ネット時代に異議があります

 副題にあるとおり、芥川賞作家によるネット社会批判で、月刊『潮』に連載されたエッセイの内容を改稿したという。『検索バカ』『ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』に続く3作目。ネット漬けの日常から逃走して「自分」を取戻し、「物思いにふける余裕のない人に、スマホ断食を呼びかけている。


発行した潮出版のサイト→ https://www.usio.co.jp/html/books/shosai.php?book_cd=4026


 師走で余裕がなく、簡単なメモにとどめるが、著者は、ミニマリストはモノを捨てスマホを信奉する情報主義者であって、デジタル情報依存になることを危惧している(p46)
 本著で触れられる批判は、ネットユーザーの特徴をついていていて、
◇アクセスできた情報はすべて自由に使え、自分の発信も拡散され多くの人に使ってもらうことを好むp67
◇言葉の無責任性に加え、「ミスよりのろまの方が悪」が最も気になるp76、
◇ダンスはネットとの親和性が高いp128
◇鮮度が問題で、どこかで見たような絵はすぐ飽きられる、鮮度が落ちれば価値がなくなるp141
◇個人がデジタル情報の集積物として解析、把握されようとしている。国家や企業で解析できるものが有利にp169
◇他者からの承認を得て自分を支え保つための格好のツールとなり、難病患者など仲間同士の精神的な支えを果たしている場合もあるが、人間の思考そのものをネットに合わせるよう変えているのではないかp193
→著者はこの点を、個人の自立的思考より、集団への参加とつながりを第一義的に考えるようになり、自立的に考え、自己形成を行うことを阻害するものではないか(p201)を問題としてとらえている。ただ、「つながり」や「コミュニケーション」は、生きてく上で重要だと思うので、そうした課題を把握しながらツールを利用することではないかとも感じる。
 

{2016/11/28-12/4読了、記入は17}