読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

ブームをつくる 人がみずから動く仕組み

 著者(1986年からPRの仕事、89にTMオフィス創業)が「ことしの漢字」をはじめ、「うどん県」や「ひこにゃん」「佐世保バーガー」など地方PRの仕掛け人であったことを、本著で知った。また、行政側の注文に対して、ターゲットを考えながらユニークな提案をすべりこませて、結果として成功しているというのは、感服する。また、「現在のPRにおいてインターネットメディアとの連動は欠かせないp60」と指摘しているように、ネットとりわけ自ら発信してもらうSNSの活用というのも、ますます重要になってきた気がする。

 多くの”★人が自ら動く”ようなPRを実現するために「平均的国民の感性」を持ち続けるよう努力することが必要とし、その3つ指標として、ファッション感覚、スーパーマーケットの商品価格、テレビドラマをあげているのは、(p104)なるほどと思う。そしてドラマのマスとアイテムとして、朝ドラ、大河、フジの月9、TBSの日曜劇場、日テレの水曜ドラマをあげ、「時代を読むことの重要なヒントが隠されている」と指摘している。なかなか見る余裕がないが、タイムシフトマシンの普及で、あとからでも見ることが出来るようになったのは大きい。


出版した集英社のサイト⇒ http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0819-b/


本著には、たくさんヒントが詰め込まれている。以下に備忘録として引用
◇p12:「個人」をコアとした情報の拡散が、現在のPRでは最重要課題…ターゲットとした個人が主体的に動き続けてくれるようにすることが理想のPR⇒p22:ムーブメント思考=マイムーブメントから
◇うどん県改名では、要潤さんの任命式にカリスマブロガー20人を招くp27⇒三面記事になり拡散=三面記事的なネタほど情報拡散のパワーをもつ情報はないと考えるp63
◇月刊メディア・データに、広告料金の記載、メディア露出はいくらの効果かp33
◇PRで守る4つの理念p35(日本PR協会編、広報・PR概論より):
1)事実に基づいた正しい情報を提供、
2)ツーウェイコミュニケーションを確保、(ネットでは当たり前の水平型関係p39)
3)人間的アプローチを基本、
4)公共の利益と一致
◇PRの4つの役割p40
1)センサー、2)企業の良心、3)コミュニケーター、4)モニター
◇PRは、個人という視点で社会を具現化(見える化)して捉えることが必要p44で、メールを送る際にCCで上司を入れることで、誰に向けて効果を狙うか考える。
◇テレビ局のプロデューサーに会うためキーパーソンの受付女性をランチで割り勘さそうp49
◇個人に向けた情報が拡散し社会的なムーブメントになる臨界点は2%の200万人、その先に永続性を生むPR(p52)
◇PRにおける「物語」の重要性p66〜:動画PRでアイスバケツチャレンジなどの例⇒人々が求めるのは、「その商品がどのようにつくられたか」という背景や理念を実現する企業からのメッセージp68⇒★求められるブランドは、「信頼されるもの」と同義=本物の心に響くストーリー、歴史や風土があってはじめて醸成されるもの
◇<心に響くストーリー>をテーマにした番組が増え、プロジェクトX情熱大陸ガイアの夜明け、新路線が朝ドラまで及ぶ「マッサン」や「あさが来た」、「はるかに高いPR効果があったことは間違いありません」p72
★誰のために、何のために、なぜ今なのか、という商品の存在意義をしっかり把握することが、PRを誰に向けて発信するかターゲット設定をするうえで非常に重要p76
⇒城の歴史から観光をリードするのは女性、母性本能をくすぐるマスコット、ひこにゃんに女性記者を案内させるp82
スマホ普及で、言葉は短くp101⇒「今年を表現する漢字一字」の正式タイトルがあったが、「今年の漢字」でプロモーション資料を作る。p144クライアントの要求を裏口からアプローチした例、佐世保バーガーも。
◇「みんなに自由に働いてもらおう。そのなかで、それぞれの能力を最大限に発揮してもらえればいい」p150+個人の価値観を大切に
◇メディアがもつ情報発信力を梃子のように利用するのがPRによる情報発信の手法p154
5W1Hで効果的なプレスリリースを書く⇒過去最高はニュース性があるp158⇒泥臭いひと手間をあなどらない・相手にリスペクトを持つp172
◇PRを文化に、戦後は、カラオケとテレビゲームp182

{3/27-4/9読了、記入は4/12}