読書録

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Googleの72時間

東日本大震災の発生を受けて、グーグルが素早く対応しパーソナルファインダーなど様々なサービスを展開したことや、インターネットでボランティアの力も借りながらデータを更新していったことなどが記録されている。

また、Twitterのリアルタイム情報が、災害時には有用であったことが繰り返し紹介されている。仙台では、震災直後に利用していたサービスとしてTwitterを挙げる人が多かったという(p196)ことや、既存の公式ページではアクセス集中に耐えられず消防庁や総理官邸をはじめ多くの官庁が発信(p228)を紹介している。ただ、ハッシュタグの濫用や、発信源がわからなくなってしまうこと、さらにデマ情報の拡散(千葉の石油コンビナート炎上事故で有害物質の雨が降る)が課題になり、情報の出所がどこか信憑性を確認し、信頼できる情報源を参照することを対策として勧めている。

そして震災の教訓として、『いざという時にはふだんやっていることしかできない』p244として、ふだんkじゃらITに慣れておくことを提案しているが、まさにその通りだろう。


出版した角川書店のサイトは⇒ http://www.kadokawa.co.jp/product/321301000083/


印象に残ったポイントは以下。

◇安否情報や公共機関サーバーの支援など展開、独力より小規模でも連携し幅広いニーズに応える。パーソナルファインダーは5000人のボランティアが手入力など支えた。〜p43
◇中学生の提案をうけ、事前許可なしで行われた配信にNHK広報職員が同意を与えたようなもので情報が拡散。ネットからのリクエストを次々と実現しネットで評判になる。〜p72
◇グーグルの村井氏「有事の際にどういうプロセスが必要かを検討し、Googleも事前に参加しておくべきだったというのが、今回の気づきの一つ」p96
◇p110「単純なスプレッドシートを使ってとりあえず動き出したからこそ、情報をすばやく提供できたし、あとからスケールアップもできた」+経産省の3/20要請で、PDFではなく、自動処理に適したデータ形式を使用したり、別途オープンな情報提供APIを整備するなど配慮を求めた。
◇p154(筆者・林氏の個人的印象として)「Googleは膨大な手間とコストをかけてトップクラスの才能を集め、その能力を最大限に活かせるよう彼らを信頼し、主体性を尊重することで、モチベーションと会社への忠誠心を維持する企業文化を育んできたのではないかと思う」+優先度の基準:1重大さ、2咀嚼できる情報か?、3すでに他社がやっていないか?、4持続可能性 p170-174
◇p251「大事なのは1つのメディアで情報を発することではなく、多様なメディアを連携させて情報を発することではないかと、最近、強く思い始めている」使い方の簡単なテレビでネットサービスの使い方を解説するという方法で、電波の有効利用もできるのではないかと提言。


年末年始に結構、本を読んだが、ここにアップできておらず、本日(13月・祝)まとめて簡単に記載しようとしたが、参考になる内容が盛りだくさんの内容だった…

{12/15-29読了、記入は1/13}