読書録

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『広報入門(宣伝会議の基礎シリーズ) プロが教える基本と実務』 「広報会議」編集部/監修

広報入門―プロが教える基本と実務 (宣伝会議の基礎シリーズ)

広報入門―プロが教える基本と実務 (宣伝会議の基礎シリーズ)

広告と広報の違いを明確に示して、メディアに乗せるためには、会社の広報担当者は、どういう姿勢で臨み、考えたらよいかということをわかりやすく解説している。先に読んだ元記者の『マスコミが取材したくなる! 「プレスリリース」の法則』がどちらかといえば業界紙向けの印象があるが、こちらは不祥事の際の対応を含めた広報一般的な内容となっている。


◇まず、p31で、
『広告=金の力で言いたいことを言える』、
『広報=メディアの企画(=世間の関心事)に企業の側が合わせる』
として、広報は『無料の広告』ではないと戒め、メディアにアプローチする場合は、「メディア・世間に役に立つ情報」を提供できるかどうかだけを基準にした方が良いとし、1.各メディアの研究を怠らない、2.自社製品・サービスがそのメディアの企画にどう合致するかの説明によって、欲しがりそうなネタを提供する必要性を説いている。


◇また、広報は全社的な判断が原則ゆえに、最終的にはトップの判断に委ねられることや、一方的に情報を発信するばかりでなく、対話の中から相互理解の基盤を構築していくことが、最も重要な使命であるとする。


◇企業の広報担当者が何としても取りたいメディアは、以前はテレビ、新聞の順だったが、ネット上の拡散を考えると「ヤフー・トピックス」が最右翼に(p41)。ネットの特性から、放置は許されず、対応のスピードいかんで企業のコミュニケーション力や意識が測られてしまう(p117)海外展開対応のためサイトは、1ターゲットなど目的を明確に、2外部任せにせず担当者の育成を、3利用要件の明示、が必要(p110)ツイッターなどソーシャルメディアは、他メディアへの導線として活躍(p140)


◇ニュースバリューを記者の視点で考えると欠かせない大前提と6つのポイント(p77)
大前提=◎新規性:まだ人に知られていない新しい情報であること
1特異性、2人間性、3大衆性、4社会性、5影響性、6地域性


◇危機管理の不祥事対応など謝罪会見では、記者側に、「締切に間に合わない、抜かれる、トクオチ」という3つ不安心理があるため、早急に実施することや、司会はありがとうと言わない、謝罪は最初に、記者の社名や名前を聞かない、最低でも50分、など、やり方を細かく説明するとともに、「メラビアンの法則」という、印象を決めるのは表情やしぐさなど視覚情報が55%、声の質や大きさテンポなど聴覚情報が38%、話の内容は7%で、見た目を意識して行うことを強調している。「記者に必ず聞かれる質問」(p194)として27項目を紹介しているが、これはきわめて実践的な内容だ。


◇企業の広報活動が重要性を高めている理由として(p204)
1.企業の社会への影響力拡大で、透明性や説明責任が求めら、尊敬とブランド価値の向上が必要に(コーポレート・コミュニケーション)⇒「信頼と尊敬と共感の獲得のために情報を発信する」(p206)
2.商品購入の情報入手ルートの多様化・細分化で、広報が広告・宣伝に匹敵する効果(マーケティング・コミュニケーション)
3.不祥事多発でマスコミ攻勢への渉外窓口(リスク・コミュニケーション)


◇社内報は、職場の情報交換、硬直したヒエラルキーを崩し、下から上に物をいうツールになりえ、面白くなる。社員が賛同しないことに世間が賛同するわけがなく、「社員が振り向いてくれない製品が売れるわけがな」(p236)「フランクに好き勝手なことを書いた方が円滑なコミュニケーションができる効果」


◇シティプロモーション(p253〜)
・地域魅力創造サイクル:発散→確認→集約・編集→正統化
・魅力訴求のための戦略モデル:(L)+AISLA+S=傾聴Listen、認知Attention、獲Interest得・関心、惹起・探求Serchi、誘導・着地点Landing point、整備・行動Action、情報共有Share


なかなか盛りだくさんの内容、広報担当なら手元に置いておいた方が良いと思いました。というか、いまや誰でも営業活動をする際には、“広報”を担っている意識が必要なのかも知れません。

{11/17-19読了、記入は24}