読書録

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元新聞記者が教える マスコミが取材したくなる! 「プレスリリース」の法則

奈良新聞の記者が自らの経験を生かし、いかにマスコミに取り上げてもらうかのノウハウを記した書。空飛ぶ広報室で、メディアに取り上げられることの広報効果の大きさを意識している話があったが、タダで大きな宣伝効果を生むことができるのだから、利用しない手はないだろう。新聞社がどういう動きをしているかを紹介し、何がポイントでどう発表するのか、ワークシートなど具体的な作業の進め方まで盛り込まれている。


ポイントと印象に残ったところの概要を引用する。
◇購買心理の8段階として、1注意、2興味、3連想、4欲望、5比較、6信頼、7決定、8満足があり、マスコミに掲載されるのは、この信頼のところが大きい。
◇記者が嫌うのは「一企業の宣伝に利用された」と思うことである一方、「いかに記者を惹きつけるか」がポイント。
◇ニュースの条件は、話題性、社会性、新奇性p37
◇主なネタの条件は、1社会貢献活動、2特徴的な制度や仕組みの導入、3地場産業の振興や伝統技術の応用、4民生品分野で先端技術を支えるような事業展開、5時のブームに関係した事業展開、6そのほか、営利以外で読者の注目を集めるような特別のリソース(長年の研究など)p42
◇記者も検索して調べるので、HPやFB、ツイッターなどわかりやすく記載するとともに、インターネット上に購買につながるような情報を予め豊富に掲載しておく。
◇メディアの年間事情でプレスリリースに適するのは、ネタ枯れになる2月、8月が最も良く、逆に不適なのは、年始の1月、大型連休の5月、株主総会の6月、年末年始用に追われる12月。
◇リアルでもSNSでも大切なのは相手を尊重する姿勢。誠実に向き合い信頼関係を。FBはイイネを付けることができる範囲で友達を。ツイッターではフォロワーを増やす近道は自分がフォローすること。また、リンク先の内容の冒頭を2〜3行記載することで到達度が向上する。


なお、最後の方に出てくる課題解決としてのSWOT分析については、別の機会で取り組んだことがあったが、なるほどこういう理論だったのか、と納得する。
すなわち自社でコントロールできる内部環境の強みと弱み(Strengths Weaknesses)
コントロールできない外部環境の機会と脅威(Opportunities Threats)の頭文字をとったもの。
内部環境には、自社商品、資産、顧客、ブランド力、情報発信力、情報発信ノウハウ、人材、資金
外部環境には、経済、法規制緩和、技術動向、消費者動向、競合関係 などある。
重要なのは、「強みを活かし、機会を捉えることができる」ポジティブな要素に着目し戦略をたてる。


著者は、記者を辞めた後、会社の広報や総務も担当されたということで、さまざまな経験が生かされた実践的な内容になっていると感じた。

{10/18-20読了、記入は30}