読書録

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図解入門業界研究 最新インターネット業界のカラクリがよくわかる本[第2版]

セカンドライフが失敗したのは、少数の進歩人によって構成される初期市場と一般市場との裂け目=キャズムを越えることができなかったからだという。ジェフリー・ムーアがキャズムを越えて成功するには、1.一般市場のニッチを攻め、2.ニッチ市場での成功を口コミで拡大する、ということだが、SNSにしても興亡が激しい。

本著では2012年の統計データとして、人気SNSはトップがミクシィの26.1%というが、まわりの使用実感からいえば、激動しているようにも思える。どの方向へ動いていくのか?

著者の本はこれで二冊目で、繰り返し主張するHaSoNeの法則などは、9月29日に紹介( http://d.hatena.ne.jp/MrBooPapa/20130929/1380945510 )したので、ここでは省略するが、デジタル化であらゆるものが数字に置き換えられ(←シャノンの情報理論:0と1で表示できる)、メディアごとの違いはあまり意味がなくなってくることや、有線から無線へと、より利便性が高まってくるのだろう。そうすると、テレビやラジオ、新聞などメディアの違いはほとんどなくなってくるのかも知れない。国内で強いのは、ポータルトップの地位を守っているヤフーということか。


本著の目次についても、前に読んだ本と同様、出版した秀和システムのサイトに掲載されいる⇒ http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/3777.html


今回、新たにメモしておくポイントとしては以下。
マイケル・ポーターによる業界分析の定番ツール=ファイブフォースは、業界の競争環境を決定する5つの要因:新規参入者、競争業者、代替品、売り手、買い手。また、ポーターは、企業の取る基本戦略は3つしかないとして、1コストのリーダーシップ、2差別化、3集中 各戦略をあげる。
ビッグデータの本質的な意味は、インターネットを通じて多様なデータを吸い上げ、分析し、マーケティングや社会改革に活用すること。p28
◇業界の3レイヤー(事業者)は、コンテンツとプラットフォームと伝送インフラで、市場規模は2010年度に41兆円。総務省情報通信業基本調査報告書h24年3月版からグラフ
◇サイト利用率のランキングは、ヤフーが80%でトップ、2位は70%のグーグル、3〜4位はfc2と楽天。出典はインプレスR&Dインターネット白書2012ニールセン・ネットビュー
◇広告費は、パイが約6兆円の中、インターネット広告は8680億円で、マスコミ4媒体で上回るのは、テレビの1兆7千億あまりのみ。出典は電通の2012年日本の広告費
◇競争がし烈化するのはスマートテレビ向けソフトウェアの世界。家庭に入り込んだデジタル・サイネージとして広告の役割も持つ
◇購買プロセスAISCEAS:アテンション(注意)をひき、インタレスト(興味・関心)をもたせ、サーチ(検索)へ導き、コンパリゾン(比較)して、イグザミネーション(検討)して、アクション(購入行動)をおこし、シェア(仲間と共有する)ようになってきた。リアル店舗で比較してネットで購入というショールーミングという新たな購買形態も出てきた。


本著のまとめも、前回紹介した本と同じく、知識創造基盤としてのインターネットとして、社会的イノベーションにつながり、GDPの拡大や新たな職場の創造にも結び付くとして、チャンスの源泉はインターネットにあると結んでいる。


著者がコラムの一つに、デザリングの衝撃として、iPadでキャリアに月額回線使用料を払うのはばかばかしいので、アイフォン5のLTEデザリングを使っていると書いているのは、これからの方向性として、固定回線はいらなくなる将来を暗示しているようでもあった。


{10/19読了、記入は11/4}