- 作者: 谷村昌平
- 出版社/メーカー: 言視舎
- 発売日: 2013/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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楽しみながら地域のことを学ぶには適した一冊。これまでに得た知識を固めるとともに、「柴原和(しばはら・やわら)」初代千葉県令が取り組んだ近代化など知らなかった。千葉県人で知らないとモグリ扱いされてもやむを得ないと著者は書くが、小中学校の郷土学習で学ぶということだろうか。他にも、「ちばらぎ」は聞いたことがあったけど、「うんちば」は知らなかったり…奥は深い。
では、本著でメモしておきたいポイントを以下引用。
◇柴原県令の著作に「腹黒くて心ねじくれ欲が深くてずるい愚かで怠け者ー誠に扱いにくい千葉県民を、なんとか開明にむかわせ…」(p61)旧習俗の排除や地租改正
◇千葉とは「落花生」「里見八犬伝」「菜の花」⇒加曾利貝塚、幕張新都心とメッセ、千葉ロッテ、佐倉義民伝、蘭学、長嶋茂雄、印旛沼、成田山新勝寺、うなぎ、国際空港、八千代の八百屋お七、浦安のTDL、市川・船橋の青べか物語、鎌ヶ谷の大仏、梨、松戸の野菊の墓と矢切の渡し、流山と新撰組、柏レイソル、野田しょうゆ、香取神宮、伊能忠敬、銚子漁港、九十九里とイワシ、イセエビ、月の砂漠、鴨川シーワールド、大山千枚田、マザー牧場、養老渓谷・・・と名物が続く…
◇東葛は、野田、流山、柏(東の渋谷、吉祥寺⇒イバシブのウラカシ)、我孫子、松戸(千葉のヨハネスブルグ、MAD City)、鎌ヶ谷の6市、葛南は市川(千葉の鎌倉)、船橋、浦安、習志野、八千代の5市。かつて柏市域内に「東葛市」が2か月だけ存在。
◇東の千葉、西の愛知という管理教育が徹底。丸刈りの強要、体罰、三角食べ
◇手賀沼にディズニーランド構想(1959年⇒1963宅地化)があり、オリエンタルランドは当初別施設を計画し1970舞浜埋立完工。最後まで残った3か所は、長野県大鹿村と静岡県清水市と舞浜。(p158)
◇1983年の千葉県新産業三角構想策定:国際空港都市、幕張新都心、かずさアカデミアパークという研究開発拠点⇒幕張はバブルの負の遺産から脱却できるか?
川鉄の千葉県臨海部への進出1954年に決まり1959年完成、西山弥太郎社長。
◇プレジデント社2012年3月5日号県民性の統計相性学で、千葉北部は愛郷心がワースト6位。
著者がラストに書いているが、多様な自然環境とともに、さまざまな顔を持ち合わせる懐の深い千葉県。また、「開放的」「細かいことは気にしない」「楽天的でおおらか」とも言われる千葉県の県民性は、昔も今も移民だらけ(p64)だからとも指摘されているが、なかなか面白い地域ではある。
{10/14-18読了、記入は20}