読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

無業社会

「働ける・働き続けることが当たり前でなくなりつつあるp35」なかで、若年無業者の問題には誤解があり、放置しておくと、就職した場合と生活保護を受給し続けた場合のギャップは約1億5000万円〜1億2000万円と推計される。これをOECD若年者雇用レビューによる15-34歳の潜在的若年無業者483万人を掛け合わせると、一人一億円の生活保護給付として483兆円が必要、内閣府の60万人として0兆円と、これは長期的に見て社会のマイナスといえ、きちんと向き合う必要があるということが重要か。p182-185


出版した朝日新聞出版のサイト⇒ http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=16038
セブンネットには目次あり⇒ http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106412839/


このほか印象に残ったポイントの引用を以下に。
若年無業者について考えてみるべき理由として3点p26
1.若年無業の当事者に対する誤解の存在
2.若年世代の希少財化と就労支援の有用性
3.若年無業者の問題が日本の社会システムの歪みの典型的な象徴であること

◇一度こぼれ落ちると圧倒的に不利になるシステムp173-「コミュニティの三つの機能不全」p174
1.村落共同体の機能不全
2.近代市民社会にある自発的な問題解決の結社としてのアソシエーションへの信頼の不在
3.それらに代わる、なんらかの共同体の不在

◇根本的な解決策p187
1.現段階で困窮している人を緊急避難的に救済すること
2.すでに若年無業者になってしまっている人に、早く就労できるように促していくこと
3.すでに無業者になってしまったとしても、ふったび労働市場に再参入できるような機会と仕組みを、社会のなかに埋め込んでいくこと に尽きる

◇キャス・サンスティンの「ミニマリスト/トリマー(庭師の意味)」という概念対比p191⇒
ある一時点における最小の公的支出vs中長期で費用対効果が高くなる

◇西田氏の提案p192
1.若年無業者支援の強力なビジョンの策定
2.調査の拡充
3.官民連携による、一体的な社会参加機会の創出


このところ読んでいる本では、短期で利益を追求するのでなく、中長期的視野にたって問題を解決していかないと、破たんしてしまうのではないか、という印象を受ける。次の世代に何をどう築いていくことができるのか、よく考える必要があると感じた。


{8/28-30読了、記入は9/6}