読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

青年市長が挑む市政改革

青年市長が挑む市政改革―未来視点で大転換

青年市長が挑む市政改革―未来視点で大転換

ICTを活用して様々な改革に取り組む千葉市長の考え方やバックボーンがわかる一冊。細川内閣が発足した高校1年の記憶が政治家への思いの始まりで、大学でインターネットに出会い、NTTコムでサラリーマン生活を送りながらも一新塾に参加し、その後、相談した先輩の田嶋要議員の導きで政治の世界に入る。政治哲学として、1未来の人たちにも責任のある選択をする、2危機を回避するため今を生きる人に批判されても臆せずに実行、3目的実現のため高い支持率を維持するよう努める(p48)と説明している。また、市長としては「常に20年、30年後の千葉市を想像するよう心がけp173」、厳しい将来に向き合うため、役所の論理を変えるために民間出身者を入れ、脱財政危機宣言を行ってモノレールの延伸を凍結、敬老会補助や銭湯無料券を見直すことなどに取り組んだという。


さらに、ブログやツイッターフェースブックなど、さまざまなツールを使って情報発信を続けている著者は、そのメリットについて随所にコメントしている。この分野への理解が、他の組織ではなかなか進まない中で、最先端を歩み、今後の在り方をリードしてくれるのではないかと期待できる。参考にしたい部分を概要などで、以下引用する。
◇議員のブログをお互いリンクさせることで、公平性・中立性を証明する一つの要素p29
◇ICTなど新しい技術や考えを行政に生かすべきではないかという議論で、知識のない人が判断して送らせている。「職員も新しいことをやるとリスクを伴うので、同調して新しいことになかなか挑戦しようとしないp34」世代間格差が解消され、少しは明るい未来が期待できるはず
◇「ツイッターはまるで相対して会話をしたことがあったかのような親近感を持たせるツールにもなり、私を若いママやパパの身近な存在にしてくれたのである」直接民主主義の要素の可能性もp44
◇ブログ更新は、市政の変化を市民に知ってもらうのが第一の目的だが、職員へのトップメッセージという意味合いもあったp88
◇双方向コミュニケーションの手段の充実で、双方の意識のずれが改まり信頼関係が生まれるp114
ツイッター版対話会で、今まで市政に関心のない層が参加して関心を持つp124
◇「千葉市を、情報の共有化に基づく住民との対話型の街づくりのモデルケースにしていきたい」p126
こうした対話の実例として、「蜂の巣論争」p75( http://togetter.com/li/305177 )や、「寡婦控除を非婚に拡大」p119などの事例をあげている。


本著関連で、参考のリンク先は以下
熊谷俊人公式WEBサイト ⇒ http://www.kumagai-chiba.jp/ (ツイッター更新も表示)
同ブログ ⇒ http://kumagai-chiba.seesaa.net/
フェイスブック⇒ https://www.facebook.com/kumagai.toshihito

「民間出身の若き市長が主導する千葉市のオープン・ガバメント(前編)」(日本IBMの『Mugendai』サイトより) ⇒ http://www.mugendai-web.jp/archives/457



{2/23-3/1読了、記入は3/16}