読書録

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ビジネスをつくる仕事

パレットタウンの観覧車事業や、ライフネット生命保険を手掛けた著者が、これからの時代に必要な人材や考え方について、経験をもとに率直に紹介している。同じ世代だと思うが、実績もあり、その内容に納得する部分が多々ある。事業を進めるにあたり、さまざまな反対があっても、時代や将来を見据えて、求められていること、やりたいことをきちっとやっていく必要があるということだろうか。経済界ではやり言葉のようにもなった「選択と集中」に対し、「創造」とは縁遠いとして退けている。p30


出版した講談社のサイトに目次あり→ http://bookclub.kodansha.co.jp/product?code=288229


印象に残ったポイントを以下に引用
◇p9:(愛社精神で目標遂行時代は終わり)会社とやや心理的距離を持ちながら、現場のみんながそれぞれの持ち場である程度の自由と主体性をもってビジネスをつくるという創造的な仕事が、会社にとっても日本社会にとってもますます必要になる。…大切なのは、どこでも、よく現実を見て、たくさんやってみることである。⇒「よく見て、どこでもやる」基本p28-
1.広く見て、真ん中をやる
2.深く本質を見て、大きくやる
3.斜めに見て、まっすぐやる
4.やさしく見て、きっちりやる

◇p53:新しいビジネスをつくるべく組織を運営するのであれば、リーダーの資質というのは、人に共感する力と、人を共感させる力によるものであって、何か単一の技能の優劣ではないと知るべきである。

◇計画された偶発性p105〜(扉にも引用あり)
・よりよい偶然が、より多く起こるように準備・努力する
・そのためのリスクもとる
・よい偶然が起こったときに、それをうまく活用できるように常に準備しておく
・将来起こる多様な事象がプラスになる可能性を広げながら物事を進める
・不運にも失敗したときの損害が最小化できるように準備しておく
→p114:将来を完全に予測することが不可能であることを前提としたうえで、予測できない多様な状況に対応できる力を備えておくことが大切

◇(ipodソニーが敗北)いまの成熟社会では、企業は、新しい技術だけでなく、新しい使い方、ビジネスの儲け方、サービスといった新しいビジネスの創造にもっと関心を向けなければならなくなっている。p150

◇消費者ビジネスは、「困ったときは消費者に聞け」が基本p172+今後の成熟化する社会では、企業とビジネスマンは、社会からのメッセージに耳を澄まして聞き取る能力が必要となっている。さらに反応して質の良いメッセージを発するという、社会との対話をする能力と対話の質が問われる…p206「社会との対話能力は、会社存続のために絶対必要であり、かつそれあ、その会社の基本的価値にもつながっている」
⇒p212:社会との対話力こそが、現代のグローバルなビジネスにおいて、組織にもビジネスマンにも求められる必須の能力と思われる。

◇インターネットが普及し変化の激しい現代において、時代の変化に強いのは…(神社仏閣とディズニーランド)…集客と集金のそれぞれのシステムが確立して、かつ、相互に上手に連携しているビジネスは、大きな社会変化、技術革新にも対応できる。p201


日本の家電・電子業界の元気のなさは目を覆うばかりで、なんとか新しい力が育って欲しいもの。長年にわたって愛用していたアンプのサンスイも、最近また破たんが伝えられたが、ICTで変化の早い時代だからこそ、さまざまな可能性もあると思いたい。


{8/5-9読了、記入は13}