読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

上司は部下の手柄を奪え、部下は上司にゴマをすれ (幻冬舎新書)

山一證券で3年、製菓会社広告部で18年、あわせて21年のサラリーマン生活から、「上司との確執」を原因に会社を退社した著者が、「現状を否定した上での退社」は思いとどまり、自分の行動を見直すように呼びかけている(p198-199)が、本著には、組織で働く上での処世術が満載されている。タイトルは逆説的なところもあるが、副題にある通り、「会社にしがみついて勝つ」ための心得と言えるかも知れない。


出版した幻冬舎のサイト⇒ http://www.gentosha.co.jp/book/b6579.html


ちょうどこのひとつ前に、職場で心が病む方との対応について読んでいたが、上司と部下という関係では、「多少の過ちには目をつむり、とにかく良いところ、成果を見出してあげて、褒めて褒めて褒めまくるp110」「犯してしまった罪、すなわち保身を認め、謝罪するp131」など、職場を働きやすくするためには共通する要素も多い。また、「得意な仕事こそ手放しで任せるp84」ことは、いつも意識しておきたいのだが、なかなか難しい。

また上司の立場でやっていけないことは、コミュニケーションをとることは必要にせよ、酒の席で武勇伝を語ったり、そこにいない部下の悪口を言うことなどがあげられているが、これはついつい、酔っぱらうとやりかねないので、心しておくことが必要だろう。ホウレンソウは、あまりにも知られている基本のノウハウで、「聞いていない」というのがよくあるトラブルだが、「報告されない上司が悪い」のであり、そういう雰囲気にしておくべきだとは思う。


一方、部下の立場としては、悩んだりうまくいかなかったりしたら、すぐに上司に相談することで弱みが強みに変わることp35や、他の部署と相談する時は上司もつれていくこと(手柄や失敗の押し付けあいp38)、今週いっぱいと言われた場合でもすぐに対応する(上司は勇気を出して依頼しているから)p59、ボーナスでは直属から順に上へお礼を言う(査定しているp69)、ミスをしたら3S(速やかに、率直に、詳細に)を上司に伝えることで信頼を得るp78、通夜や告別式に参列しないなど横着をしないp160、上司は決められないのではなく事情があって「決めない」のだから辛抱強く待つp46ことなど、なかなかできていないことが多い。


本著では、社員食堂の値上げ50円や、鉄道初乗り130円など意識するか、小遣いが少ないサラリーマンとしては認識をしておくべきということについては、まあ自分では大丈夫とは思いつつ、「酒の種類が豊富で料理が抜群に美味く、隠れ家っぽく一見さんは入りにくい、働いている女性がきれいで品がある」ようなお店につれていき、「ここだけの話」ができるようになることp125もコツの一つとして書いてあるが、そういう店はなかなか行かないので知らない。まだスマホも持っていない。せめて「清潔」さを意識すべきか…。


最後に、本著の「はじめに」に書いてあるサラリーマンのメリット羅列p5は、人に説明する時には、忘れがちになるので、備忘録としてメモしておこう。
・毎月、定期的に決まった収入がある。
・社会的な信用が得られる。
・体を壊し、長期休暇を余儀なくされても、収入がある。(欠勤1か月で昇進1年遅れが相場p180)
・当面成果が出なくても、収入がある。
・定期的に休暇がある。
・苦楽を共にできる仲間がいる。


{2/22-23読了、記入は同日}