読書録

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 60歳からの暮らしの処方箋

60歳からの暮らしの処方箋 (幻冬舎ルネッサンス新書)

60歳からの暮らしの処方箋 (幻冬舎ルネッサンス新書)

著者の名前は、IT業界の巨人と同じなので、略歴を見て違う人とわかり納得はしたが、大成建設のサラリーマンを経て、著者の言葉でいう「提年」を迎え、日常に感じることをつづりながらも示唆に富む内容がある。この言葉の意味は、p36:提携の提でたずさえるという意味があり、会社時代とは違った価値観で社会と新しい仲間の方々と手を携えていく気持ちだという。そして定年を意識し始めてから会社を離れるまでの50代の半ばから60代の後半まで15年ぐらいで、「気づき」「見えるようになる」時期だとしている。まだその歳ではないけど、ちょっと前に覗いておくのも良いかと思って手に取った。

この本の出版の経緯については、p124で「ほめられて、勘違いしてこの本ができた」と紹介しているが、日々つづった文章が、いわゆるマニュアル本のようではなく淡々と記されていることに、接した人が共感を覚えたのだろう。

アイディアの一つとして、スクラップを始めたら、細かい分類では面倒な事態になったため、経済、生活、高齢者・住まい、行くところ・食べるところ、という大まかな4つのフォルダーにしてうまくいっているというのは、参考にさせてもらいたい。

一番納得できた健康法が「笑う・悩まない」(p144)というのも、先に読んだ脳に良いことと通じる部分があったほか、著者がカウンセリングの講習を通じて(p159)、「待つ」ことを学び、相手の気持ちを考慮し、その背景にある価値か経験を考えることによって気持ちに余裕ができたという部分も理解できる。このあとの章で、著者の長男が重度の障害児であったことがさらっと触れられるのだが、それぞれ家族に様々な課題を負っていることを実感するとともに、こうした背景があるからこそ、本著のような柔らかい考え方・文章が書けるのではないかとも感じた。


(目次ー引用)
第1章 定年後を考える;

第2章 会社をはなれる;

第3章 日々、過ごす;

第4章 地元の一歩;

第5章 新しい仲間;

第6章 提年力;

第7章 自分を見直す;

第8章 「次」に向けて


{5/19-21読了、記入は22}