読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

ソーシャルネイティブの時代

ネットの進展で確かに考え方も変わってきたように思うのだが、どのようになっていて、どこに向かうのか、よくわからない。本著は、社会調査を通じて浮かび上がった様相を伝えているが、象徴的に使われる、ビンボーでもハッピー、という状況は、いつまで続くのだろうか。景気対策など行われても、基本的なライフスタイルが変化している中では、どういう効果があるのか。よくよく見極めて行かないといけないのではないかと感じる。あとがきで紹介されている、調査データをもとに作られたという、iPad用の、MCS Elements というアプリを見てみたい。(mcs=メディア&コンテンツ・サーベイ2011)


(扉ー要旨)
ビンボーでもハッピー?ネットでつながるソーシャルネイティブ世代の生活行動を可視化する!
酒を飲まず、クルマに乗らず、休日は家で過ごし、異性にも積極的にならない、それでも幸せそうな「新しい日本人」たち。彼らを知る手がかりは、「ソーシャル化」という一大潮流にあった。ネットの中に隠れて見えなくなった日本人のライフスタイルを、コンテンツとデジタルの専門家集団・アスキー総研による1万人調査をもとに解き明かす。


(目次ー引用)
はじめに;
◇より安価に生活の満足度を上げるライフスタイルで中心的な役割をはたす7つ道具。
⇒無料コンテンツ、ファストファッション、リアルのバーチャル化、シェア(共有)、価格比較・共同購入(グループポン)、ソーシャルメディアミクシィツイッター)、iPhoneスマートフォン)。
◇注目すべきネットのトレンドは、リアルタイムウェブ(ツイッターによる分単位、秒単位のタイムキープ)、大量データ分析、メカニカルターク(機械仕掛トルコ人で、システムが出来ない仕事を人間がやる=防犯カメラをネット経由で監視)、ソーシャルメディアなど。


第1章 あたらしい日本人;
◇カワイイは伏角、萌えは仰角p44
◇反生産的、反資本主義的、反マスメディア的=ネット?p51


第2章 ビンボーハッピーな生き方;
◇この生き方の七つ道具は、上記、はじめに、と同。
◇たった5年で生まれたライフスタイルの中にいる(2004年から05年にかけて音楽プレーヤー市場の変化をもたらしたのは、ウェブアクセス可能な携帯と、ネットの普及が進む時期p73)
ソーシャルメディアのパワーは、ネットが自律的に活動するようになる(検索でなく人の活動へ)、データの精度が上がる(集合知)、リアルとの連携の可能性が高い(位置情報の活用)こと。p80


第3章 日本のソーシャルメディアはこうなっている;
◇男子20代の半数がニコ動を見ている
スマートフォン急増がソーシャルメディアを加速、中心利用層は20代。
◇ニュースは「ソーシャル」の重要コンテンツ(ペパリを使えば新聞形式に編集)
ソーシャルメディアは、コンピュータというものが歴史上最も人間社会に近づいたものだといえる。p109


第4章 スマートフォンを持ったサル;
iPhoneの特徴は、その美しい画面や指で画面に触れたときの反応の滑らかさ…はるかにシンプルに、目的にリーチできる気持ちよさ…やりたいと思った瞬間にポケットから取り出してすぐにやれることに魅力がある。p117
◇「ナード」=米でコンピュータや数学などに詳しい理系オタク的な人たちのことp127
◇マックはカトリック、ウィンドウズはプロテスタントウンベルト・エーコが喩える


第5章 ゼログラム化する世界の中で;
◇米国は「地上波からネットへ」の流れが明確に。ケーブル加入率の高さにHULUやNETFLIX。
◇グーグルやアップルの考えるテレビでは、プラットフォーム(アンドロイドとIOS)、配信(他者とItunesstore)、広告、アプリ、ソーシャルの5つの構成要素からなるものにp151図5。
セカイカメラやフォースクエアで位置情報の活用⇒場所と人の関係
◇「6次の隔たり」〜自然界に存在するネットワークは、一見デタラメに見えて強靭⇒ノイズの存在


終章 日本人とソーシャルネイティブ;
ジャパネットたかた、スタジオで気づく「お子さん」「記念になる」決めワード。
◇将来の生活⇒ユルくなる、創作が流行る、レイ・エキスパート、ノード(接点)になる、ハイブリッド経済、生活とメディア、
◇人と人のつながりが重要な概念になってもいる。p186


あとがき;
ネットは、すでに新聞・テレビと同等かそれ以上の接触媒体になっているだけでなく、新聞・テレビが一方通行の情報であるのとは本質的に異なる価値を有している。…ネットは特別な位置に記載されなければならないと思う。p188


{11/18-21読了、記入は23}