読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

かのこちゃんとマドレーヌ夫人

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (ちくまプリマー新書)

この新書は児童書?かも知れないと思いつつ、著者の世界に引き込まれた。「鴨川ホルモー」的な驚きはないが、主人公と“刎頚の友”のすずちゃんの出会いと別れ、犬の玄三郎ともう一人のネコの主人公との夫婦愛、昔のお祭り風景などを思い起こして、懐かしくまた、優しい気持ちになれました。

p136:この1年間、婦人は自分に家というものをはじめて教えてくれた夫に、なんとか感謝の気持ちを伝えたい、と願ってきた。…だが、夢の話を語りながらうれしそうに尾を振る夫の姿に、不思議と自分の願いが少しだけ叶った、という静かな確信を婦人は得た。…やけに胸が熱く、あと1分でも長く夫のそばにいたら、何だか泣けてしまいそうだったからである。

p227:「…僕はずっときみといっしょにいたいんだ」…「だって、きみは僕の妻じゃないか」とどこまでも優しい口調で、少しだけ笑った。


(扉ー要旨)
かのこちゃんは小学一年生の元気な女の子。マドレーヌ夫人は外国語を話す優雅な猫。その毎日は、思いがけない出来事の連続で、不思議や驚きに充ち満ちている。


昨今の事件、なんでこうしたあたりまえの幸せを見つけられないのだろう、と思ってしまう。不思議な物語ではありました。


また、最近、『プリンセス・トヨトミ』を映画で見たが、これもまた一風変わった世界でした。会計検査院による実地検査が取り上げられ、今の大阪を思わせるような独立構想、堤真一さん VS 中井貴一さんも渋かった。先に映像を目にした後、原作を読むと、俳優のイメージに引っ張られるなんともいえない感覚に襲われるが、さて、これはどうだろうか。いずれ読んでみたい。鹿男あをによしも、いずれ読んでみたい。本著に登場するお父さんは、鹿と話せて、「かのこ」も鹿からきているとのこと。


{11/16-17読了、記入も同日}