読書録

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「IT断食」のすすめ

「IT断食」のすすめ 日経プレミアシリーズ

「IT断食」のすすめ 日経プレミアシリーズ

休み明けは特にメールを読むだけで相当時間をとられ、日々、求められる文書の作成に追われ、現場の感覚から離れていくという、本書の冒頭に出てくるような働き方は、確かに現状としてある。本著では、これをIT中毒だとして、ITから離れてアナログ感覚を取戻し、現場をいきいきとすべきだと説く。一面、真理ではあるが、これだけITが職場や生活に浸透している中で、経営者の決断だけでできるのか、なかなか難しい面もある。ただ、こうした視点は忘れてはならないのだろう。

p9:猛烈な勢いで日々進化するITは、すでに我々に牙を剥き始めている。心して手なずけ、使いこなすことを強く意識しなければならないステージに来ているのだ。
p38:実はこの「違和感」の根底にあるのが、行き過ぎたIT依存症=IT中毒だ。現場に足を運び、現実・現物に触れ、当事者と対話し、1人でじっくりと考えるといった「健全なアナログ時間」が、IT中毒によって大きく蝕まれている。・・「現場力」も劣化しているのだ。


p42:ICF(情報とコミュニケーションの洪水)とBLT(バカのロングテール
p83:(ダイエットと同じで)まずは、摂取量が過剰で、中毒に陥っていることに気付くことが重要だ。今こそ、「良質なアナログ時間」を取り戻さなくてはならない。


p104:(中間管理直が不人気)「割りに合わない!」「細かな管理業務に縛られるばかりで面白くない」「若手を育てる時間もないし、ましてや戦略や戦術をじっくり練る時間もない」
p109:(ICF)上司からの確認要求メール、参考情報メール、部下からの念のためのCCやBCCメール、本社管理部門からの多様で細かな調査依頼、交通費、出張費、備品購入等の決裁など、枚挙にいとまがない。


p143:システムの乱立と極端な部分最適は、システムの維持コストを大幅に引き上げるだけでなく、将来にさまざまな禍根を残す。


p153:データや情報は、ただ「ある」だけでは何の役にも立たない。分析し、それを理解して行動に反映させることができて初めて、その情報は「役に立つ情報」になる。行動に活かすことのできない企業にとってそれは「情報」ですらなく、単にBLTが蓄積されているというだけにすぎない。
p155:「情報」を「判断」し、それに基づいて「行動」するという一連の流れのうち、「情報」ばかりが肥大化してしまったのだ。


p160〜IT中毒に関する調査で見える化⇒1.電子メールの受信状況、2.時間の使い方、3.会議の調整
p172〜IT断食のポイントの例
1.電子メールの一日当たりの受信数、重要、承認、参考情報の割合
2.会議設定にかかる時間、長さ、資料の枚数、資料作成に費やされる時間、情報共有や議論に費やされる時間
3.PCに向かっていた日、付加価値を高めるために費やす時間、資料作成に費やす時間
p180:『椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!』酒巻久キャノン電子社長


p185:CCやBCCの使い方にルールを設ける⇒適正化で安易なCCを禁止など
←よく問題になるのは「聞いていない」という声、これを防ぐ意味で多用しがちではあるが、心しておいた方が良いかもしれない。ただ、重要なメールの場合は、必ず声をかけるようにしてはいるが。


p198:ヤマトグループの「全員経営=お客様目線を持ち、常に自分でできることを判断し行動する」というDNA
p204:ダイキン工業の「かつての『わいがや=わいわいがやがやした雰囲気の中で情報交換とアイディアを生み出す』を取り戻す」


p227:「経営判断をするための、現場の情報が足りない」と思っていたが…ITに頼りすぎていたことが原因だった…パソコンの利用を制限したことで、ミドルが元気とフットワークを取り戻し、必要な情報が上がってくるようになっている。


p233:さあ、ITを捨てて、対話を増やそう!自分の頭で考えよう!そして、現場に行こう!


{9/15-17読了、記入は19}