読書録

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武器としての決断思考

武器としての決断思考 (星海社新書)

武器としての決断思考 (星海社新書)

最近、テレビでコメンテーターとして活躍している著者の姿をよく見るが、物事の考え方、議論の進め方、さらには先行きが不透明な時代に、生き方を考えるうえで参考になる一冊。具体事例も、若者の就活をどうするか、原発の今後、スパコン事業仕分けなど、タイムリーというかわかりやすい例で面白い。京都大学で教鞭をとっておられる授業の内容とのことなので、もう一回、学びなおしたいぐらいではある。学生時代に議論したことを懐かしく思い出した。

各時限ごとにまとめもついており、以下引用。ただ、この本は、読み進めながら考える問題もあり、まさに、自分で考えないと意味がない。

【目次-引用】
はじめに 「武器としての教養」を身につけろ;
p14:過去のやり方が通用せず、未来予想もうまくできないなかで、自分の人生や家族の将来を見据えながら、ひとつひとつ現時点で最善と思える「意思決定」を行っていかなければなりません。

ガイダンス なぜ「学ぶ」必要があるのか?;
p44:(手に入れた武器)・「知識・判断・行動」の3つをつなげて考えよう、・エキスパートではなく、プロフェッショナルを目指そう、・「正解」はない。だから自分で答えを出す方法を学ぶ


1時間目 「議論」はなんのためにあるのか?;
p48〜(3つのゆがんだ判断:慣れていることを重視、限られた情報や枠組みで考える、サンクコスト=既に払った時間や労力、金を過大に評価)
p56〜(4つのディベートのルール:特定の論題、賛成側と反対側に分かれる、話す順番や時間が決まっている、第三者を説得する)
p65:(ディベートでは)準備が8割、根拠が命


2時間目 漠然とした問題を「具体的に」考える;p97:論題(テーマ)は、「〇〇すべきか、否か」にする。


3時間目 どんなときも「メリット」と「デメリット」を比較する;
p103:メリットの3条件:1内因性(なんらかの問題があること)、2重要性(その問題が深刻であること)、3解決性(問題がその行動によって解決すること)
p111:デメリットの3条件:1発生過程(議題の行動を取ったときに、新たな問題が発生する過程)、2深刻性(その問題が深刻であること)、3固有性(現状ではそのような問題が生じていないこと)
p116:機会費用とは、「その行動を取らなければ実現できるはずだったことができなくなってしまうこと」

4時間目 反論は、「深く考える」ために必要なもの;
p139〜(ツッコミ上級編:各6項目)内因1プランを取らなくても問題は解決する、2そもそも現状に問題はない、重要3質的に重要ではない、4量的に重要ではない、解決5プランを取っても別の要因が生じるため、問題は解決しない、6プランは問題の原因を正しく解決しない
発生過程1プランだけではデメリットの発生にはいたらない、2プランの影響はデメリット発生にいたるには弱すぎる、深刻3質的に問題ではない、4量的に問題ではない、固有5プランを取っていない現状でも問題は起こっている、6プランを取らなくても、将来、同様の問題が起きる
p152:ロジカルシンキングの世界でMECE(ミーシー)「モレガなく、ダブりもない」


5時間目 議論における「正しさ」とは何か;
p158:正しい主張の3条件:1主張に根拠がある、2根拠が反論にさらされている、3根拠が反論に耐えた
p170:推論の部分は相手も無意識に行っていることが多いので、そこに対して重点的にツッコミを入れると効果は絶大…3つのタイプ1演繹、2帰納、3因果関係
p190:因果関係で注意すべきは、「因果関係が逆」「因果関係と相関関係の混同」「特定の原因にのみ注目する」の3点


6時間目 武器としての「情報収集術」;
p214:・情報を鵜呑みにするな!、・自分の頭と足を使って「価値ある情報」を取りにいこう


7時間目 「決断する」ということ;
p242:・反論に耐えたメリットとデメリットを比較して、決断していこう、・どちらが重要かは「質×量×確率」で考えよう、
・自分の人生は自分で考えて、自分で決めていく!(p244で★)

p243〜(この授業で手に入れた「武器」)
★世の中に「正解」なんてものはない。
★「いまの最善解」を導き出して、とにかく行動することが重要だ。
★前提が間違っていたら修正して、また行動すればいい。それがさらなる最善解に近づくための「決断思考」だ。


{9/4-5読了、記入は同日}