- 作者: 徳岡孝夫,中野翠
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2012/01/01
- メディア: 単行本
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名文見本帖という副題がつくように、思わず涙がこぼれたり、おかしくなったり、素晴らしい短文の数々がつまっていた。
特に印象に残ったのは、
<徳岡孝夫>
p17〜投げ忘れた花束:母の亡くなった病院の前で、列車から花束を投げてくれと頼まれたが・・
p23〜M・モンローの挨拶
p114〜赤ん坊と記者:普段は小さい扱いの「捨て子」について追いかけた記事に「お前の書いた最高の記事やわ」と褒めためったにほめない先輩
<中野翠>
p130〜子どもの頃に泣いた話:「オトタチバナヒメ」「ジャータカに出てくるウサギの話」「幸福の王子」「ごんぎつね」「からいも侍」
p120〜ながらえば:笠智衆の「いたい。わしは、お前と、おりたい。おりたい」
p154〜後先を考えられない男:歌舞伎の「文七元結」
徳岡氏は豊かな経験を、また中野氏には深い教養と色艶を感じた。歌舞伎や落語、「徒然草のしろうるり」などなど、これまであまり接してこなかった世界にも触れてみたいと思った。なにげない話を、短くてもきっちりストーリーとして読ませるというのは、なかなかできることではなく、いろいろ学ぶことは多い。
{9/7-15読了、記入は同日}