読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

全国13万人 年商1000億円 ポーラレディ 頂点のマネジメント力

 76歳の著者の働く意欲やパワーには、圧倒される部分がある。それがまた、楽しく生きがいである様子が伝わってくる。いまでも「やりつくしたなんて到底言えませんp45」「(次には何かあるか)楽しみばかり」とはっきり言えることは素晴らしいことだ。

 冒頭に出てくる「腹に決める」=精一杯、一生懸命やったら必ず、絶対に、扉が開けますp11。という信念は、母子で仕事を始めながら成績が悪く母を泣かせてしまい、喜んでもらうためにやろうと決めてから、流れが変わったという。

 著者の組織で良く使う合言葉に「出ただけでいいのは、ウ〇コだけp36」があるというが、これは、いろんな場面で使えそうだ。会議で売り上げ達成できない報告すると、こういうことになるらしく、また口ばっかりだとオオカミ営業所と言われるということだが、キツイ言い方の裏には笑いがあり、逃げ道があるのがいいのかもしれない。

 経験からのちょっとしたアドバイスというのも、なかなか面白い。階段を上がる時に、一歩ごと1.2.3.4.1.2.3と掛け声をあげると、スッと上がれるようになるp137とか、出店できる場所は、子どもを乗せたママチャリが活発に行き来し銀行が多い街で、理由は今後30年は活気があるからなど。「現場にいることで現場を知ることが会社発展の道で、現場の本音や実際はなかなか数字に表れない」p75という現場主義に裏打ちされているのだろう。
 命令よりも意見を聞きp96、まとまることは求めず一人一人の個性を生かすp128、一人1つだけ得意なことを持ってもらうp154など、多様性=ダイバーシティを意識したマネジメントをずっとされてきたのだと思う。それが今の時代の強みにもなっているのだろうと感じる。


☆発行した講談社のサイトに目次や写真など詳細あり⇒ http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062729383


 大手広告代理店での社員の自殺なども波紋を呼び、「働き方の改革」が喫緊の課題ではあるけど、これを書いている本日11/19付けの日経で、J-Win理事長の内永ゆか子さんの言葉に共感を覚えた。⇒ http://style.nikkei.com/article/DGXMZO09592490W6A111C1TY5000

 一部引用すると⇒「働き方を変える必要がある。(略)…労働時間を減らすことが働き方改革と捉えられがちだが、それは本質ではない。場所と時間から自由になる働き方を実現すべきだ…(実現には)…IT(情報技術)を徹底的に活用すること。さらに労働時間ではなく成果で評価する仕組みや、個々の責任範囲や達成目標の明確化が必要となる。業務プロセスを見直して無駄な仕事をなくし、生産性をあげていかなくてはならない」

 清と書いて「さやか」と読むという本著の著者も、常に前向きでIT技術なども吸収・勉強しながら、達成目標を明確に、より効率的に仕事を進めてきたことが伺われる。さらに、女性活躍といえば資生堂の取り組みがこれまでも注目されてはきたが、本著が出たことで、ポーラ化粧品の企業イメージが向上することも期待できる。
 著者の「自分の会社の知名度を上げるのも自分の仕事。会社をPRすることをコマーシャルとかだけにまかせちゃだけです。現場の人のPRこそ効き目があるんですp64」という言葉は、どの職場にもあてはまるのだろう。


{2016/11/08-13読了、記入は19土深夜〜20未明}