読書録

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『寂聴先生、コロナ時代の「私たちの生き方」教えてください! 』 瀬戸内 寂聴 瀬尾 まなほ 著

 書店には今年亡くなられた著者の本が並ぶ。波乱に満ちた人生と、晩年はやさしく明るく語る法話や人生相談など、素敵だった。

 コロナ禍のなかでの生き方について、易しく語ってくれている。

発刊した光文社(2020.8)のサイト↓ 

印象にのこった部分を、以下に引用。師走でばたばたして、いままで記録できず・・・
p30:人間はどんな環境下でも、なんとかやっていけます。(21歳の結婚北京で出産)
 
p59~60:「忘己利他」(もうこりた・最澄の言葉「己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」⇒まずは自分の幸せを忘れて、他人の幸せのために祈る、他人のために行動するということ:)の一言を教えていただいただけでも、出家してよかったなと思っています
 
p74:好きなことをやらせるのが一番いいわね。才能が伸びるから。
 
p86:(修身のいいことしたら必ずいい報い、ではなく)もっと世の中は残酷ね。あんなにいいことをした人が、してあげた人に殺される。これが世の中なのかと思って、中村さんが痛ましくて泣いた。やっぱりいい人が死ぬ。
 
p120:やっぱり何をするにも情熱が必要ね。
 
p140:一寸先がわからないことが「無常」。これはマイナスの言葉ではなく、いまは悲しくてもやがて慰められるときがく必ず来るということ。・・・(中略)・・・人生は無常です。決して同じ状態は続かない。
 
p144:人間は笑わなきゃダメね。どんなときでも笑えたら、その瞬間に気が楽になりますよ。
自分を自分でほめること、そして笑うことが大事です。
(当初1ヶ所のみにしようとしたが、やはり良い心に残る言葉が多く、7ヶ所に増やした。あわせて、メモとして、コロナ禍で著者が読んでいたのが、出口治明さんの『哲学と宗教全史』(p27)とのこと。
 
訃報のニュース(引用)

瀬戸内寂聴さん死去 99歳 恋愛や歴史など題材に数々の小説発表
2021年11月11日 18時03分 

恋愛や歴史、そして老いなどをテーマに数々の小説を発表し、法話を通じて多くの人たちに生き方を説いた作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが9日、心不全のため京都市内の病院で亡くなりました。99歳でした。

瀬戸内寂聴さんは徳島市出身で、大学を卒業後、本格的に小説の執筆をはじめ1957年に「女子大生・曲愛玲」で文芸雑誌の賞を受賞して文壇デビューしました。

1963年にはみずからの波乱万丈な恋愛経験をつづった私小説「夏の終り」で女流文学賞を受賞するなど、恋愛小説や伝記小説を次々と発表し、経済的にも精神的にも自立する新たな女性の生き方を生き生きと描いて多くの女性の読者から圧倒的な支持を受けました。

1973年、51歳のときに作家として新しい生き方を模索したいと岩手県中尊寺で得度しました。

その後も、愛や芸術に生きる女性や信仰の道を求める人などの姿を通じて「性」や「老い」など人間の本質を鋭く描き出す作品を数多く執筆し、1992年には一遍を描いた「花に問え」で谷崎潤一郎賞を受賞しました。
また、「源氏物語」の現代語訳は、当時、ブームの火付け役となり、光源氏を取り巻く女性に焦点を当てた新しい視点と読みやすい表現で高い評価を受けました。

1997年には文化功労者に選ばれ、2006年には文化勲章を受章しています。

瀬戸内さんは作家としての執筆活動の一方、僧侶としても30年以上にわたって各地で法話を続け、多くの人々の悩みや苦しみに耳を傾け、みずからの思いをことばにして伝えてきました。
また、東日本大震災のあとには、東北の被災地を回って多くの被災者を励ましました。

2012年には関西電力大飯原子力発電所運転再開に反対するハンガーストライキに参加したほか、2015年には安全保障関連法に反対する国会前のデモに京都から駆けつけてマイクを握るなど、社会的な活動にも積極的に参加していました。

瀬戸内さんは、90歳をすぎていた2014年5月に背骨を圧迫骨折して入院したほか、同じ年には胆のうがんでも手術を受けましたが、療養後、執筆や講話の活動を再開していました。2017年には、小説家としての自身の生涯と闘病の体験を題材にした長編小説『いのち』を95歳で刊行し、体力的にもこれが「最後の長編小説になる」と語っていました。
出版社などによりますと、瀬戸内さんは先月から体調を崩して病院に入院していたということで、瀬戸内さんは9日、心不全のため京都市内の病院で亡くなりました。99歳でした。

葬儀は近親者で執り行われ、後日、都内でお別れの会を開く予定だということです。

 

インスタグラムが更新 葬儀は近親者のみで

瀬戸内寂聴さんが亡くなったことを受けて、瀬戸内さんのインスタグラムが更新されました。

インスタグラムには、瀬戸内さんが京都市に開いた寺院「寂庵」にある「寂」の文字が刻まれた庭石の写真とともに、メッセージが添えられています。

メッセージには「みなさま作家・僧侶の瀬戸内寂聴は、2021年11月9日、永眠いたしました。享年99。先月より体調不良のため、入院、加療しておりました。葬儀は近親者のみで執り行います。みなさまにおかれましても、静かに瀬戸内を見送りくださいますよう、何卒お願い申し上げます。恐縮ながら、お香典・お花はご辞退させていただきます。生前のご厚誼に感謝し、謹んでお知らせ申しあげます。誠に勝手ながら、来庵はお控えくださいますよう、どうかよろしくお願い申し上げます。曼荼羅山 寂庵」と記載されています。

ご冥福をお祈り申し上げます。
 
{2021/12/3金-10金:読了、記入は12/29水}