印象に残った箇所をいくつか引用してメモ
p13:(クララ)全員が暗黙のうちに了解していた理由が、お日さまと栄養でした。p14:いつも外を見たいと思ってきました。p119:(リック)「向上処置を受けた子供たちの会だからね、たしかに場違いなんだ」
p201:(リック)「リックとジョジーは永遠に、か」
p305:(クララがクリシーに抱かれ)あの長い抱擁のときのように、目を閉じていて、わたしは母親のやさしさが染み透ってくるのを感じました。
p330:(ヘレンがポールに)「ごめんなさい・・・みんな白人で、かつてはそれぞれの職業のエリートだったって」
p152:(ミスタ・バンズがリックに)「度量が広くて、リベラルで、能力あるすべての生徒に門戸を開く大学。遺伝子編集の恩恵に浴していない生徒も受け入れる・・・」
◇型落ち「人工親友」の献身と信仰 評者: 江南亜美子book.asahi.com
書評からラストを一部引用⇒「苛烈(かれつ)を極める競争原理、閉鎖的なコミュニケーションが特定の信念を強化させるエコーチェンバー現象など、分断を生みがちな現代社会のありようへの警告ともとれる本書。クララの「その後」を読者がどう想像するか。人間とは何かとの問いかけが、読後の脳内に響きわたるだろう。」←とても深い指摘で、納得した。
その他の書評関係をいくつか以下に。
◇生の空洞を慈しむ 評・木内 昇(作家)& 科学超える「信じる力」 評・仲野 徹(生命科学者・大阪大教授)
著者の本は、過去記事からは以下。
また、映画では、これもなかなか未来小説的でありながら、倫理の問題を考えさせられると言う点では、似た印象をもった次の作品もメモしておく。2018年に見ていた↓
毎週、土曜の夜に連れ合いと映画をみて、刺激を受けているが、記入からいうと昨夜見た実話をもとにした韓国映画が、いまの、香港やミャンマーの動きを考えると、1987年時点で韓国もそうだったのかと改めて認識しつつ、格差や階級を乗り越え、よりよい世界にならないのかと痛切に感じた。
2つのサイトで、いずれも評価が4.0を超えていて、胸に迫るものが多々ある作品だった。
{2021/5/26水-31月読了、記入は6/6(日)}