読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

魂の退社 会社を辞めるということ。

魂の退社

魂の退社

 アフロでおなじみの・・が枕詞につく著者が、新聞記者時代の会社員としての仕事と、葛藤、その後についてなぜ決断したか、について本音を綴っている。いわゆる「良い子」として進学・就職したが、会社に囚われることに疑問をもち、自由になろうとした、ということなのかもしれないが、テレビでも有名になり、著作も出しているからこそできたような気もする。一般的にどこまで共感を得られるかは疑問も感じた。



発刊した東洋経済新報社のサイト⇒ https://store.toyokeizai.net/books/9784492045947/

ダ・ヴィンチに著者インタビュー記事あり⇒ https://ddnavi.com/news/312131/a/


 本書から経歴をたどると、ストレートで初任地が高松で5年、大阪本社でデスクを経て38歳で再び高松へ行き、締め切り時間を1時間早めるp87、地方リストラのため新設ポストでは地域活性化を目指す取り組みをメールで紹介p90、40でいったん将来も続けるか疑問に思う、49の秋に朝日新聞のオピニオン面で「ザ・コラム」という顔写真入りのコラムを担当p111になるが、直前に2つの誤報あり。退社後は、カード作りや不動産を借りる際に苦労して会社の存在について考える、


 いくつか言葉を引用
p17:お金よりも時間や自由が欲しくなった
p29:(部長にならないと)劣っていると判断され・・はたから見る以上に深く人の気持ちを傷つける
p36:いい学校、いい会社、いい人生という黄金の方程式を疑わずにスクスク生きてきた私は、いつの間にか金満、優越的追求、欲望全開の人生を生きていました
p73:山折哲雄宗教学者から教わった古代インド人の人生4段階で、学生、家住、林住、遊行、各期
p81:(選別で部下が上司に)それに平然と耐えられる自信がありませんでした。
p93:(給料に無関心になると評価も気にならなくなり)ひとから上司からどう見られているかということよりも、やるべきこと、やりたいことをやろうというふうになっていく。
p116:どんな状況で辞めたにせよ、次の人生に前向きに歩き出せるかどうかではないでしょうか。
p166:(原稿料を知り)社員である自分自身がまさにブラックだった。弱い人間を食い物にして、自分さえ生き残ればいいのだと。
p168:(いまの時代に利益を上げるには)方法は二つしかない。一つは、働く人を安く使い捨てにすること。もう一つは、客を騙すこと。←この決めつけはどうかと感じる。価値創造など他にもあると思うだけに、本音ではあるのだろうけど、少し視野狭窄になりすぎていないか、心配。
p174:社員が懸命に働く原動力は「カネ」と「人事」だ。
p178:提案したいのは、ほんの少しでもいいから、自分の中の会社依存度を下げることだ。
p183:(一のキレたタコ・・つい笑ってしまうのは)それは多分、私は自由だからなんだと思う。


 著者の名前で検索すると、AERAでの連載も始まったよう。世に名前の知られていないフリーの方がたくさんおられる中で、著者はアドバンテージが相当あるとやはり思う。それこそ川上氏が書いていたが、有料のメルマガを始めたら、それこそ生活が成り立つかもしれない・・

 ここまで本音を綴って、受け入れられるというのもなかなか素晴らしい天性ではある。会社との関わり方についても、考えさせられるところはある。今後の情報発信にも注目していきたい。


{2018/7/9-21読了、記入は7/22}