読書録

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セックスレス時代の中高年「性」白書

セックスレス時代の中高年「性」白書

セックスレス時代の中高年「性」白書

 性に対する意識を2000年、03年、12年で比較調査した内容で、タイトルで象徴されるような中高年の実態が詳細に紹介されている。ただ、冒頭に断わりがあるように、関東圏中心に配布回収方式が多いなどデータとして限界があることは認識しながら読む必要はある。

 本著でも紹介されている、この種の調査としては、以下があるようだ。
デュレックス社の調査p24で、2006年と11年、日本は最下位。週一が34%から27%に。
◇「JEXジャパン・セックス・サーベイ2012」による「日本人の性行動の実態」p85
◇日本家族計画協会とジェクス株式会社が2013年に男女5000人にネット調査p118と調査は結果はほぼ同じ

 性交の回数がおおければ多いほど幸せかどうかについては、アメリカの大規模な研究結果によると、週一回がもっとも幸せで、金銭よりも定期的な性交が重要であるとのこととp26と紹介している。
 

発刊したharunosoraのサイト→ https://kabu-harunosora.jimdo.com/ ここから 刊行書籍一覧 タブで
AERA.dodのサイトに週刊朝日の紹介記事→ https://dot.asahi.com/wa/2016110200238.html
セックスレス化進む…50歳の性の壁、越える人、越えない人」 2016.11.4 16:00週刊朝日 ※11月11日号より抜粋


 上記リンク先の週刊朝日の記事で、日本性科学会セクシュアリティ研究会代表で、臨床心理士の荒木乳根子さんは、「10年余りでセックスレス化が大きく進んだ」と指摘している。40〜50代でみると、男性は2.5倍、女性は1.8倍に。夫婦の別寝も、00年の2割から6割に増えたということで、ここ数年、週刊誌でもこの関連の特集をよくみるようになった。
 本著では、セックスレスの要因として、夫婦間における性の位置づけ・性規範の変化、夫婦の関係性の変化で否定派が増加、従来より女性の意志が強く反映の3つをあげているp30-31

 性交の規範が崩れたとは、不倫などに寛容な意識になったということが紹介されているわけだが、去年のベッキーさんのゲス不倫騒動から、解散総選挙の背景にもなったとみられる政治家の不倫まで多いという印象をうける。実際に政治家の不倫騒動はどの程度あったか、と事実関係を知りたくなり検索すると、ハフポスト日本版ニュースエディターの吉川慧が、まとめていたのでリンク先を紹介→
http://www.huffingtonpost.jp/2017/09/07/immoral_a_23199757/
「「不倫疑惑」が報じられた政治家は? 山尾志桜里氏への『文春砲』で振り返る
総理大臣から野党のリーダーまで、みんなスクープされていた。」
←こういう素早く柔軟な対応が、ハフポストの持ち味なのかも知れない。
 なお本著p161に、10年前に比べて女性の婚外セックスが増え、記載が多くなったことに時代の推移を強く感じるとしている。具体的には、欲求は外で満たして女性の自信にもつながり、生活のパートナーである夫には優しい顔が向けられて安定した夫婦関係を築けるなど、自己肯定的な人が増えたとのこと。他者を不幸にしかねない不倫は理性で制御するべきという諌めの意見もある、という書き方は抑えで少数派という印象も本著では受ける。


 最後に、配偶者との関係で求める交流のベスト3は、「日常の会話」「家庭のことを相談しあう」「外出。趣味などを共にする」とのことで、相手を尊重することが基本と指摘p55。また、性科学のパイオニアの一人・奈良林祥氏の言葉「50歳を過ぎた男性の性の楽しみはもはや勃起、射精ではなく、相手の女性に奉仕すること」が何度か引用され、加えて「スキンシップの喜びを」を付け加えたほうがいいp138とのことで、これらは心掛けたい。


{2017/9/17-20読了、記入は24日曜}