読書録

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『なぜ、それが無罪なのか!? 性被害を軽視する日本の司法』 伊藤 和子 著

 本著で紹介されている未成年の娘と性交した父親が無罪になった件など、相次ぐ判決には本当にびっくりしたが、本著を読んでなぜそうなっているか、ではどうしたらよいか、が良く分かった。
 とくに、法案改正を検討する場で国会議員が発言したという50歳と14歳の記事が06/08火~、ネットでも拡散。この問題、簡単にはいかないことを改めて示した。 

   世界のなかでまだこんなに遅れている、という事例で、サイトでPRされているのは、✔ 女性の13人に1人が性被害経験あり、✔ 2017年に刑法の性犯罪規定が改正されたものの不完全、✔ 圧倒的に不利な立証責任が被害者側に課されている、の3つ。

 発刊したディスカヴァー・トゥエンティワンのサイト↓

d21.co.jp

 覚えておきたいポイントなど一部引用して以下に↓
 
第1章 19歳の実の娘に性交をした父親が無罪の衝撃
p20:2019年3月4,立て続けに4件の性犯罪の裁判で、無罪判決が言い渡されました。 2019年3月26日の名古屋地裁岡崎支部
 
第2章 性犯罪の処罰に関する刑法の規定はどうなっているのか?
p48:単に、「無理矢理性行為をされた」「意に反して性行為をされた」というだけでは犯罪と認められない、ということです。
 
第4章 なぜレイプ事件の多くが不起訴になるのか?
p89:強制性交等罪の「暴行」「脅迫」、準強制性交等罪の「抗拒不能」がどれも認められず、罪に問えないとすれば、あまりに不合理ではないでしょうか。
 
第5章 「同意があったと思われても仕方がない・ 
p94: あさイチ特集で、↑と思うもの・・2人きりで食事11%、飲酒27%、泥酔している35%
 
第6章 世界はどうなっているのだろう?
p109:相手の同意がないまま、相手が拒絶しているのに性行為をすることそのものを犯罪として処罰する国が増えつつある、というのが世界のトレンドです。
 
第11章 改めて刑法改正を考える
p220:提言・暴行・脅迫要件を撤廃し、不同意性交を処罰する・・
p225:提言・心身喪失・抗拒不能の要件に代わり、抵抗ができない事情を明確化する規定を導入すること・・
p245:ハフポスト 山本和奈さん 2019年1月15日 週刊SPA!編集部『女性をモノとして扱う視点があったと反省』署名を集めた大学生らと直接対談より引用
 
第13章 Yes Means Yes
p254~世界に広がる「紅茶とセックスのお話」+p259相手が紅茶を飲みたくないと言ったら無理やり飲ませたりしないのに、なぜ性行為を
p266:不同意の性交は人権侵害であり違法であることを社会がしっかり認識し、刑法を改正して意に反する性行為は処罰される方向性を明確にすること、そして人々の意識やカルチャーも変えていくこと、その両方が、今求められています。
 
p176:国連が分析しているビッグデータによれば、#MeTooというつぶやきを発した言語は、英語、スペイン語、韓国語についで日本語が第4位だそうです。

 

 性犯罪の刑法見直しを提言しているとも言える本著だが、実現するのかどうか? 以下、ハフポストのネット原稿がめだっていたので、引用して記録
 
◇2021年03月06日 08時36分 JST
なぜ、性犯罪の刑法改正が必要なの? いま知ってほしいこと、わかりやすく解説

www.huffingtonpost.jp

 

◇2021年04月12日 12時27分 JST
性交同意年齢は引き上がる?性犯罪めぐる刑法改正、取りまとめ案の6つのポイント
 
 ◇2021年05月21日 15時10分 JST
 
性犯罪の刑法改正、1年におよぶ議論の報告書まとまる。法相に提出 

 この内容を記入した翌日の2021/06/18金の毎日の朝刊WEB記事で、50歳と14歳の問題について、専門家・上谷さくら弁護士の見解を紹介する記事があったので有料記事ながら追記してリンク先を引用↓
 
{2021/6/4金_7月読了、記入は6/18(木)}