読書録

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日本型ヘイトスピーチとは何か 社会を破壊するレイシズムの登場

日本型ヘイトスピーチとは何か: 社会を破壊するレイシズムの登場

日本型ヘイトスピーチとは何か: 社会を破壊するレイシズムの登場

 在日コリアンをとりまく歴史を紐解き、欧米との比較も交えながら、今の課題を図表を含めて問題提起している。

 このうち、レイシズム行為のピラミッドの図p57では、下部から偏見、2偏見による行為、3差別(住居や就職、結婚)、4暴力(ヘイトスピーチ街宣)、5虐殺 が示され、3から上は人種差別撤廃条約が義務付ける規制で、欧米では差別一般が違法とされているという。p68の図日本では、包括的差別禁止法がないため、4から上のみ刑事事案で、差別に基づいた暴力ということが見えないとする。

 ヘイトスピーチが頻発する原因は、大きく3つとして以下p232
1)反レイシズム規範の欠如
2)「上からの差別煽動」圧力の増大
3)歴史否定

 p266で、欧米先進諸国では、政治空間でのレイシズムと歴史否定は建前上許されておらず、移民、反グローバリズム、宗教論に変換するが、日本では反レイシズムと歴史否定の規範がないため政治空間から差別煽動の効果が強いとしている。


発刊した影書房のサイトに目次と書評の掲載あり→ http://www.kageshobo.com/main/books/nihongatahatespeech.html

代表をつとめる「反レイシズム情報センター(ARIC)」のサイト→ http://antiracism-info.com/ 
そのツイッターアカウント→ https://twitter.com/antiracism_info


 著者は、対策の一つに、反歴史否定規範の形成として、謝罪・法的責任の前に、真相究明と事実の認定をp301と提起しているが、慰安婦問題のアジア女性基金の取り組みなど、いかに困難かという現実もあるかと感じる。


{2017/5/26-29読了、記入は6/2}