読書録

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保守の本分 扶桑社新書 145

保守の本分 (扶桑社新書)

保守の本分 (扶桑社新書)

本著の扉に、「保守主義かつ右翼」という立場からのネット言説が、膨大な支持とアンチを生み出していると記されている。ヘイトスピーチレイシズムへの批判、慰安婦問題や南京事件靖国神社などについて、「かずかすの日本の戦争犯罪を総括することによってのみ、初めてもう一度誇りを取り戻すチャンスを手に入れることができるのではないでしょうかp148」「日本人は過去の過ちに向かい合い、周辺諸国に対しても贖罪の意を示すべきなのですp156」と主張する著者の考え方は、その立場からは新鮮に見える。


出版した扶桑社のサイト⇒ http://www.fusosha.co.jp/books/detail/3791 プロフィールあり

セブンネットには、本著の目次あり⇒ http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1106322701/

著者のネット言説のツイッターか?⇒ https://twitter.com/noiehoie

また、「保守主義者である私が反原発である理由」5つについて引用しているブログ⇒ http://tsunoken.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-2c8d.html


いくつかポイントを引用。
ネトウヨ=「情報ソースをネットに依存して右翼的とされる主張を発している人々」p10;ソースがネットであるがゆえに、彼らは排外主義と同時にマスメディアも嫌悪しています。要するに、「戦後マスコミは正しいことを伝えていない」という思想、というか思い込みに凝り固まっているわけです。p11
◇日本の右翼思想・保守思想の原点は抑圧からの解放運動であり、西洋に対する反抗運動でした…「民権」「愛国」「尊王」「大アジア主義」…ネット右翼の連中には、そんな理念はまったく理解されておりません…「日教組の先生に教えられたことは全部否定しなければいけない」という善悪二元論…で理屈は一貫…「どんな人とも仲良く」「社会的弱者を差別してはいけません」「基本的人権の尊重」というスローガンは…等しく否定p14。…保守主義的な態度とは、反進歩主義に軸足を置いて、理性に対する懐疑を持ち、他人のことはほっておこうというもので、もっと簡潔に言えば、まずは今の自分の生活を守る、そしてその目的を達成するために、他人の生活も守る必要があるのだ、という考え方だと思いますp54。…何をもって右翼というかというと、突き詰めれば「天皇陛下万歳」と言えるかどうかという部分でしかないと思うのですp70
◇彼らの標的は必ずしも在日朝鮮人・韓国人ではないのです。いわゆる「弱者」とされる人々すべてを標的にしているのです。p23
中宮崇のような存在も、ネトウヨの増殖に大きな役割を果たした…山野車輪の『マンガ 嫌韓流』の大ヒットなど、急激にネット右翼のすそ野は広がっていったのではにでしょうかp30、『行動する保守』の運動フォーマットを作ったのが毛沢東主義者の西村修平p169
◇近代に逆行するレイシズムは許せないのですp33。…私は保守主義者としても、そして日本の右翼としても、全体主義的傾向を持つもの、そして排外主義的な傾向をもつものについては、真っ向から否定しなければならないと考えるのですp41
◇今の我々が知る議会制民主主義は、理性の妄想と、ドラマティックな考え方を嫌う保守主義者が堅持すべき政体だと思うのですp101
◇負けて負け切って、本当に情けない負け方をしたことを我々は一度徹底的に認めなければ、今抱える問題は何も解決しないのではないでしょうかp140、あの戦争は、計画主義的で左翼的な前衛によって領導された国民が、民主的な意思決定プロセスの結果選び取った政策であることは揺るぎない事実ですp143


{4/12-15読了、記入は18}