読書録

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下剋上受験 両親は中卒それでも娘は最難関中学を目指した!

 今年(2017)年1月から3月にかけて、TBSの金曜ドラマ枠で放送された『下剋上受験』は、昔のことを思い出しながらついつい見てしまったが、これはその原作本の文庫化。ドラマのラストでも放送されていた、佳織さんのトークイベントでの声が活字になっていて、映像を思い出しながら、胸を打つ部分があった。

 この中で、「私が一番頑張れたのは、父の作った人生表でした。今も大事にしています」(p405)という部分があり、「人生のしくみ」がp96に掲載されているが、「人生ってわずか8年間がんばるだけでかえられるんだよ」という文言もあり、この家族の取り組みが、この本の出版にもつながるなど、大きく変わっていったのは確かだろう。

 ドラマでは、エビングハウス忘却曲線などで風間俊介さんが、また奥さんの深田恭子さんらが、とても楽しい役回りをしていたが、これらはドラマ用だったことに原作を読んで気付く。一方、父親役の阿部サダヲさんの印象が強くて、読んでいてついつい阿部さんの顔が浮かんでしまうのは、止むを得ないところか。

 視聴率はそれほど高くなかった印象だが、ビデオリサーチ社が去年から出しているタイムシフト視聴率で、1月クールのドラマでは、実はランキング6位になっていた。これは中学受験を控えていたり、終えた家族などが見ていたということなのかも知れない。


発刊した産経新聞出版のサイト⇒ http://www.sankei-books.co.jp/m2_books/2016/9784819112970.html

ドラマを放送したTBSのサイト→ http://www.tbs.co.jp/gekokujo_juken/

ビデオリサーチ社のタイムシフト視聴率ランキング→ http://www.videor.co.jp/press/2017/170417.htm


 なお、ドラマにはほとんど登場した記憶がないが、本著でたびたび出てくる中学受験のクチコミサイト、 http://www.inter-edu.com/ は、子どもが中学受験だったときはたびたび見ていたことを思い出す。さまざまな情報が飛び交っていたが、あえてドラマでは外したということか。

 また、著者の言葉で、「頭のいい人が重要な役目をするんじゃなくて、ミスをしない方法を考えた人、ミスを防ぐ練習をした人、こういう人が頭のいい人だったんだよ」(p316)というのは、このところいろんなことがある中で、実社会で確かにそうだと頷いた。


 めざした学校は、ドラマでは匿名になっていたが、本著で桜蔭学園だったことを知り、同窓生の顔を思い浮かべて、なるほどとこれも納得する。御三家など懐かしい言葉ではあるが、わが子も第一志望には届かなかったものの、ずっと国公立で楽しく過ごしてくれたのではないかと思う。旅人算鶴亀算、一緒にやってなかなか教えるのに苦労したというか、自分でどこまでわかったのか、いまだに自信がない。中学受験が美化されかねないことには、危惧を感じる部分もあるが、一つの目標にむかって家族が一つになることは、さまざまな問題を抱える中で、可能性のあることなのだろう。


{2017/5/24-26読了、記入は28}