- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/15
- メディア: 文庫
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久しぶりに重松清さんの小説を読み、心を洗われた。通勤時間の短い時間で読み継ぎながら、何度か涙がこぼれそうになった。
主人公は、中学二年生の「よっちゃん(淑子)」。斎場の前にある祖父母が切り盛りするうどん屋でお手伝いをしていて、さまざまな人の死と訪れる人たちの日常を描きながら、生き方についても考えさせられる。
重松清さんの作品群は、読んでその時は感動するのだが、筋については覚えていないことも多く、映画やドラマでもう一度接すると、演じた俳優とともに記憶に残るところがある。最近では、おととしTBS系で放送された『流星ワゴン』が、ロケ地がなじみのある場所で、また、西島秀俊、香川照之の名演も光っていた。この作品もぜひ、ドラマで描いてほしいとも思う。
この読書録になってから、記録した著者の作品は以下。
2014-04-06 『その日のまえに』
2012-10-08 『希望の地図』
2011-11-03 『星に願いを さつき断景』
2011-10-14 『ブランケット・キャッツ』
2010-10-18 『かあちゃん』
2010-07-07 『十字架』
2010-06-14 『再会』
2010-01-08 『とんび』
発刊した講談社BOOK倶楽部のサイト⇒ http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062779463
◇印象に残ったフレーズをいくつか以下に引用。
第二章 二丁目時代(おそ松くんの『しぇー』の話題は、世代的にまったく同じ・・・)
p112:母親「わからないことはたくさんあるの、あっていいの、いまは」
p125:母親「答えがすぐに見つかるものなんて、人生にはそんなにたくさんないのよ」
第三章 おくる言葉(接したことのない先生へのお礼のことばを考えて・・・)
p179:淑子「いつでもいいから、先生が知らなかったウチの学校のこと、たくさん、たくさん、見てください…」
第四章 トクさんの花道(霊柩車の運転で、別れた妻に会うかどうか・・・)
p209:お葬式の良し悪しは、棺を車に収めて観音開きの扉を閉めるときにわかるらしい。(つらいと重く、悔いがなければ軽い)
p210:おじいちゃん「霊柩車に乗せるのは、冷たくなった体じゃないんだ。亡くなったひとやのこされたひとの思いっていうのか、そういうのを運ぶ仕事なんだな、霊柩車の運転手は」
p231:おばあちゃん「ひとの生き死にってのは、一生モノの勉強だよ」
第五章 メメモン(ラテン語でメメント・モリ=死を思えという意味p240)
p289:おばあちゃん「わたしね、思うのよ、一番の思い出ってていうのはね、思い出の形はしてないの」
{2017/02/13-25読了、記入は26}