- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 単行本
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いったい、自分に何ができるのだろう・・という疑問を著者も感じていたに違いない。その率直さが、フリーライター田村章が不登校の光司とともにいわば取材の旅をする、ドキュメンタリーノベルという形で、心に訴えかけてくる。絶望の地図にもなりかねない“物語”なのだけれど、決して忘れないことで、寄り添っていくことで、見つめ続けていきたい。生き続けたい。
(目次ー引用)☆は取り上げられている題材
プロローグ 秋葉原にて;
☆富士フィルムの写真救済プロジェクト
第1章 被災地に/被災地から伝えたいこと;
☆宮城県山元町の「りんごラジオ」、高橋厚アナ:必要な生活情報を流し続ける
☆石巻日日新聞の壁新聞:被災者にいま必要な情報を伝える
☆NHK仙台の「被災地からの声」、津田喜章アナ「無理のできない人は無理をする必要はありません」
第2章 「希望」とは、なんだろう;
☆玄田有史東大教授の希望学:釜石で大切な言葉『だいじょうぶ』:
第3章 それぞれの人生の転機;
☆下村達志さん提案「岩手三陸縦断駅伝」
☆菅原則夫さん「復興商店 かけあし」
第4章 福島からの手紙;
p137:その決意に比べて国や東電のやっていることは……と、きみも嘆きたくならないか?
第5章 にぎわいを、再び;
☆「アクアマリンふくしま」:鴨川でゴマフアザラシの赤ちゃん「きぼう」
☆「スパリゾートハワイアンズ」:映画がんばっぺフラガール
第6章 日常を取り戻せ;
☆三陸鉄道
☆浄土ヶ浜パークホテル
第7章 社長たちの奮闘;
☆イー・ピックス:熊谷雅也社長:『ケセン語訳 新約聖書』
☆八木澤商店:河野通洋社長:『なつかしい未来創造株式会社』
p213:「津波で亡くなった人たちは、やっぱり無念だったと思うんですよ。もっと生きたかっただろうし、この町をよくしようという夢ももっていただろうし…だから、仇討ち、弔い合戦をやるしかないんですよ、生き残った私たちは」
☆サンマリン気仙沼ホテル観洋:阿部長商店の安倍泰浩社長:
⇒みんな思い通りに生きてるわけじゃない。・・やらなきゃいけないことをやる。p229
第8章 復興ダコの町で;
☆大正大学のボランティアで南三陸町の『オクトパス君』キャラをバックアップ
⇒置くとパス(合格)
☆最後まで防災無線で避難を呼びかけた遠藤未希さん。未来の希望・・
第9章 リレーのバトン;
p272:「一生をかけてバトンを渡す相手を探せばいい。その相手に巡り合うための長い旅が、人生なんだよ」
エピローグ 石巻からの手紙;
p278:人々の悲しみや苦しみは、あの日からずっと、途切れること無くつづいている。「被災」とは、過去の出来事を語る言葉ではなく、いまの状態を示す言葉なのだ。
{10/6-8読了、記入も同日}