読書録

読書整理用のダイヤリーから移行しました19/1/26土~

職場の問題地図 「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方

職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方

職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方

 22時以降残業禁止といった「制度」や、ワークライフバランス研修といった「個人スキル」だけでは、結局、無理やり帰ってモチベーションが下がったり、管理職の負担が重くなったりと、根本的な解決になっていない。仕事の「プロセス」や「場」を変えていかないと、残業だらけや休めないという問題は解決しない、という問題提起から、何がこうした問題を生み、どうしたら解決できるのかを、バスが停車する1丁目から11丁目という章立てで紐解いていく。付録に全体マップの一枚紙もあり、参考になる。

 1丁目に紹介されるのは、いったん報告した資料を上司からダメだしされる「手戻りが多い」ことで、その原因は、1)いきなり100%をとろうとする、2)状況の変化に対応できていない、3)仕事のやり方や品質がバラバラ、4)レスや判断が遅い、などがある。これは部下と上司の意識のずれが背景にあり、早い段階から成果物のイメージに合わせて報告連絡相談をどう設計するかが解決のカギになるp26というが、これは確かに多いような気がする。


発刊した技術評論社のサイト→ http://gihyo.jp/book/2016/978-4-7741-8368-8


 参考になる点が多々あり、いくつか下記に引用
◇仕事(=インプットを成果物に変える取り組み)の5つの要素=本書のキー をポンチ絵で確認する p34〜
1)目的、成果物の利用シーンを確認する
2)インプット、必要なデータなど
3)成果物、グラフなのかパワポなのかなど
4)関係者、本当のお客さんは?ラスボス
5)効率、期限やステップなど進め方

報連相のフォーマットp69
1)今週の進捗報告、2)相談事項、3)周知事項、4)上司や他チームに依頼したいこと、5)来週の予定

◇無駄な会議と会議の無駄を減らす4つの対策p81〜
1)会議の目的とアウトプットの確認:意思決定か、報告か、連絡か、情報共有か、意見照会か、いずれか決める
2)出席者選びを慎重に:
3)議事録を取りやすい発言を:所用時間を示す、まず報か連か相か伝える、結論を伝える、論点を数で示す
4)3本締めをする:決定事項、宿題事項、次回予告
+定例会議は月金を避けるp93

◇属人化を避けるには、「前任者の趣味やこだわりで続いていたムダな作業を切り捨てp132」引継ぎ時に、マニュアルを作るp133

◇過剰サービスが起こるのは、何をどこまでやればいいのかが曖昧p144
→きちんと業務を設計・監理するための4つのステップp159
1)自部署のミッションと役割をきちんと理解する
2)チームレベルに落とし込み、目標設定をする
3)ミッション・役割・目標に照らし合わせて、業務ルールや優先度を設計する
4)それを部やや関係者に浸透させる

◇仕事をしない人を生む5つの原因p168
1)何をもって頑張った仕事をしたと言えるかわからない
2)デキる人が全部やってしまう
3)不適材不適所
4)がんばったって評価されないし
5)がんばらなくてもクビにならないし
→2:6:2の法則(優秀、普通、残念)は必ず生まれるので、人員配置を工夫し、異なる特性を持つチームで分担を工夫するp178

◇優秀なリーダーは良く雑談して、経歴や趣味、家族のことなど自己開示するとともに部下にも興味を示して相手の話をよくきくp192
・自分に興味を示してくれる相手には自分のことを知ってもらいたい、伝えたいと思うようになる、信頼関係と協力関係が生まれる

◇定義→測定→報告→改善 のサイクルを回すp212

 著者が最後にコメントしている、ほんとうにワークライフバランスが充実している職場には、そもそもWLBという言葉なんて必要ない、言葉自体がなくなっていますように、ということが当たり前になればと思うが、課題は多い。


{2017/1/8-9読了、記入は13}