読書録

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男がつらいよ

男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学

男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学

「まず落ち着いてください」と冒頭、著者がこの一言に尽きるという、いまの世の男たちに伝えたい言葉。先行きが不透明で普通に生きづらくなった昨今、こうした“男性学”という分野も求められているのだと思う。

章立てで、第2章が仕事、第3章が結婚、第4章が結婚と、それぞれのステージで、昭和(仕事に生きがい)と平成(やさしさ)の時代の変化で、男性をとりまく環境がいかに変わってきたかを実例などで紹介している。

そしてアラフォーの著者の世代が、2つの価値観の間で引き裂かれつつも「デビルマン世代p97」として、世の中を変えていく希望を見出そうとしている。(暴走族が、1980年代の4万から6000人台へと劇的に減ったp160とは知らなかった)

「男らしさ」から解き放たれることは困難かも知れないが、「普通の男性」のイメージからは上手に距離をとるよう、本著にはヒントがちりばめてあると著者はいう(p220)


出版したKADOKAWAのサイト⇒ http://www.kadokawa.co.jp/product/321410000320/

本著についてマイナビニュースのレビュー記事⇒ http://news.mynavi.jp/articles/2015/08/06/otokogatsuraiyo/


印象に残ったポイントなどをいくつか引用
◇p40:人が自分を心配し、悩みに共感してくれることの効果を、男性たちは学ばなければなりません。
◇日常生活の場の4分類、職業、地域、家庭、個人(p85)
ワークライフバランスという言葉について、社会学者の藤村正之さんを引用して(p88)、ライフは「生命・生涯・生活」という3つの意味でとらえ直すことを提起している。
◇『スラムダンク』を読んだことがない大学生が増えているが、このマンガを読んでいないのは人生を損している(p145)←実は読んだことがないので、いまから読んでみようか・・・
社会心理学者の橋元良明『メディアと日本人』から、年代分類として(p177)、
・1976年前後生まれの76世代が第一世代で以降を「PCデジタルネイティブ
・86世代以降を「ケータイデジタルネイティブ
・96世代以降を「ネオ・デジタルネイティブ」=モバイルでネットを駆使し動画情報を自由に操る←過去に同様の分類を読んだような気もするが・
◇人との比較を止める(p204)、自分の中の多様性を認める(207)、仕事と見栄を切り離す(p215)



{11/20-29読了、記入は12/05}