読書録

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デジタルネイティブの時代

デジタルネイティブ世代の特性として、著者があげている4点、すなわち
1.空気を読む力
2.対人距離を構成する「親密さ」と「テンションの共有」が相互に独立し、「テンションの共有」のみによる(「親密さ」を伴わない)「親しさ」への志向
3.「コミュニティ」「ソーシャル」とは異なる「コネクション」という社会原理の拡大⇒「高い匿名性志向」
4.サイバースペースへの強い不信感、低い社会的信頼感と強い「不確実性回避傾向」(=UAI)
について詳しく分析している。
そして、UAIは、漠然とした不安に根ざし、不確実さや未知の状況への耐性が低い社会心理的態度を「困ったらどうしようと困る」という不安の増大が問題だとし、終章において安心志向のジレンマの克服とソサエティ原理の強化を課題として認識し、相対化していくことが必要だという。


著者は調査研究方法についても、質的・量的アプローチを組み合わせるハイブリッドメソッドという考え方を提示していて、理念としてはわからないでもないが、かえって議論を難しくしている印象を受けた。分かりやすさばかりを求めてはいけないのかも知れないけども、どこまで理解できたのか、よくわからないのが実感。


なお、世代と形成要因による4区分などは、参考になる。p95
第1世代:〜1982生まれ:「ポケベル世代」から「ピッチ世代」で、移動体文字文化第1世代。
第2世代:1983〜87生まれ:「モバイルネット対応携帯」+ミクシィの中核となった世代
第3世代:1988〜90生まれ:高校でパケット定額制が導入されケータイブログやリアル
第4世代:1991生まれ以降:



(目次ー引用)
序章 アラブの春ソーシャルメディア革命だったのか;
◇ではないのにそう捉えてしまう量的データの拡大が課題で質的データを組み込む必要がある。


第1章 デジタルネイティブへのアプローチ;


第2章 デジタルネイテイブの形成と動態;


第3章 社会的コミュニケーション空間の構造と変容;


第4章 不確実なものを避ける日本社会;


終章 「安心志向のジレンマ」を克服するネットワーク社会へ;



{8/3-10読了、記入は22}